名前 | 朝倉高景 |
別名 | 孫次郎、正景 |
生まれ | 1314年ー1373年 |
時代 | 南北朝時代 |
一族 | 父:朝倉広景 母:妙浄 兄弟:愚谷、松尾宗景 |
子:氏景、阿波賀茂景、向久景、三段崎弼景 | |
コメント | 朝倉氏二代目当主 |
朝倉高景は朝倉広景の次男ではありましたが、朝倉氏の第二代当主となっています。
朝倉高景の時代に自分の主君にあたる斯波高経と幕府の間で、いざこざがおきますが、その度に朝倉氏では室町幕府を支持しました。
弘祥寺を完成させるなどの功績もありますが、朝倉高景は朝倉氏の後継者になるのに、強引な手法を行ったのではないかとも考えられています。
それでも、朝倉高景の時代に宇坂床及び7カ所の荘郷地頭職を得ており、朝倉氏の発展に大きな功績を残したと言えそうです。
尚、朝倉高景は最初は朝倉正景を名乗っていましたが、ここでは混乱を避ける為に全て朝倉高景の名を使わせて貰いました。
朝倉高景を含む朝倉氏六代の動画を作成してあり、記事の最下部から視聴する事が出来ます。
後継者となる
朝倉高景には愚谷なる兄がいましたが、朝倉広景は弘祥寺の完成を託そうとすると、次の様に述べています。
※朝倉孝景(戎光祥出版)より引用
愚谷「建武以来天下大乱にして公私安からず、某においては成就しがたし」
愚谷は天下が乱れており、自分では弘祥寺を完成させる事が出来ないと告げたわけです。
これに対し弟の朝倉高景は弘祥寺の完成を約束しており、朝倉広景は後継者に朝倉高景を指名しました。
尚、朝倉高景は弘祥寺を完成させ開山の別源円旨と「弘祥寺栄えれば、朝倉栄うべし」の言葉を残しています。
因みに、朝倉広景と朝倉高景は親子にも関わらず、60歳ほどの年齢が離れていたとする説があります。
朝倉宗景を殺害
朝倉高景には松尾宗景なる弟がいました。
ある日、朝倉高景と宗景は双六で遊びますが、口論となりカッとなったのか宗景を殺害してしまいました。
こうした所をみると、朝倉高景が気性が荒い人物だった事が分かるはずです。
朝倉宗景には既に子がおり、朝倉広景は子を高景の猶子とした上で、別源円旨の弟子として出家させています。
松尾宗景の子に危害が及ぶ事を心配し、朝倉広景は別源円旨に預けたのでしょう。
尚、朝倉高景は朝倉氏二代目の当主にはなりましたが、かなり強引な手法を使ったのではないかとも考えられています。
足利尊氏を支持
足利直冬は九州での戦いには敗れましたが、大内弘世や山名時氏に擁立され京都を目指しました。
朝倉高景の主君筋にあたる斯波高経も足利直冬を支持しています。
朝倉高景は足利尊氏を支持し斯波高経と袂分かつ行動を取ったとされています。
足利尊氏と足利直冬の間で文和東寺合戦が行われていますが、朝倉高景は子の朝倉氏景と共に足利尊氏を支持し参陣したと伝わっています。
ただし、太平記には朝倉下野守は斯波氏頼に従った記述もあり、朝倉氏は尊氏側と直冬側に分裂して戦った可能性もあるはずです。
朝倉高景は東寺大門前で奮戦し、足利尊氏は恩賞を与え母衣に自ら「浅倉弾正左衛門高景」と書いたと記録されています。
この時に、朝倉高景は足利尊氏から「景」の文字を賜わり朝倉高景と名乗り、子の朝倉氏頼は「氏」の文字を賜わったとも伝わっています。
さらに、功績として朝倉氏は足羽床預所職の知行を与えられました。
尚、斯波高経は後に幕政復帰しています。
斯波高経との対立
足利義詮の時代に斯波義将が管領に就任し、後見人の斯波高経が実権を握りますが、佐々木道誉や石橋和義との対立もあり失脚しました。
斯波高経は斯波義将や斯波義種と共に越前に向かい、杣山城に籠城する事になります。
足利義詮は朝倉高景に御内書を送り、朝倉高景に斯波高経討伐を命じました。
朝倉高景は足利義詮に味方し斯波高経の勢力と戦う事になります。
この時に朝倉氏景が独断で兵を動かし、白土城を陥落させる功績がありました。
こうした中で杣山城の斯波高経が病死し、足利義詮は斯波義将らを帰参させる事に成功し戦いは終わりました。
室町幕府では功績により朝倉高景に宇坂床及び7カ所の荘郷地頭職を与えたと、朝倉家伝記に伝わっています。
結果的に朝倉氏の勢力拡大に繋がったと言えるでしょう。
幕府では越前守護を畠山義深としました。
朝倉高景の最後
朝倉高景は応安五年(1371年)5月2日に亡くなったと伝わっています。
この時の朝倉高景は59才であり、子の朝倉氏景が後継者に朝倉氏三代当主となります。
朝倉家伝記によると、弘祥寺の別源円旨により高景の法名は徳岩宗祐となりました。
朝倉氏の歴代当主
朝倉広景ー高景ー氏景ー貞景ー教景ー家景ー孝景ー氏景(八代)ー貞景(九代)ー孝景(十代)ー義景
朝倉氏六代の動画
朝倉広景から朝倉家景までのゆっくり解説動画です。
この動画は朝倉氏と戦国村一乗谷(吉川弘文館)、朝倉孝景(戎光祥出版)を元に作成しました。