名前 | 鮑忠(ほうちゅう) |
主君 | 鮑信 |
コメント | 三国志演義の架空の人物 |
鮑忠は三国志演義に登場する架空の武将です。
鮑忠は鮑信の弟という設定になっており、華雄と戦いますが一撃で斬られました。
鮑忠は特に見せ場もなく、わざわざ抜け駆けまでしたのに、何の見せ場もなくやられるという気の毒な扱いとなっています。
正史三国志を見ると鮑信の弟で、曹操の軍に加わり徐栄に敗れて戦死した鮑韜なる人物がいます。
鮑韜も鮑信の弟で董卓との戦いで戦死している事から、鮑忠のモデルは鮑韜ではないか?と考えられています。
今回は三国志演義に登場する架空の武将である鮑忠を解説します。
抜け駆け
曹操や袁紹が反董卓連合を結成しました。
鮑信も済北国の相をしており、連合軍の将の一人として参戦していたわけです。
鮑信の陣には弟の鮑忠もいました。
反董卓連合では袁術が食料係となり、先陣は武名高き孫堅に決定しました。
董卓陣営では董卓、李儒を中心に軍議を開き、呂布が連合軍と戦う様に名乗り上げますが、結局は華雄が将となり李粛、胡軫、趙岑らと共に汜水関に到着します。
鮑信は孫堅が先陣となり、功績の首座になるのを恐れ、密かに弟の鮑忠に騎兵と歩兵合わせて三千を与え抜け駆けさせています。
三国志演義だと鮑信は鮑忠に抜け駆けさせるなど「せこせこ」とした人間に見えますが、史実の鮑信は衛茲と共に曹操を高く評価し、人を見る目があった人物です。
それを考えると、三国志演義の鮑忠に抜け駆けを命令する鮑信の態度は、残念にも感じました。
鮑忠は小道を通り、孫堅よりも先に汜水関に到着したわけです。
一撃で斬られる
鮑忠は華雄に戦いを挑み、鮑忠の抜け駆けにより汜水関の戦いが幕を開ける事となります。
華雄は鮑忠を見つけると、鉄騎5百の兵を引き連れて応戦し、汜水関の下に降りてきました。
華雄は鮑忠に向かって「賊め。逃げるな」と怒鳴りつけると、鮑忠は「敵わない」と感じたのが、慌てて逃げます。
しかし、華雄は鮑忠に追いつき手を挙げるや一刀で斬り伏せました。
華雄は鮑忠を斬った事で勢いにのり、将校を生け捕りにするなど獅子奮迅の活躍を見せます。
三国志演義では鮑忠の配下の兵の損害は極めて多かった事が書かれています。
鮑忠の首は華雄に取られてしまい、華雄は丞相府にいる董卓に勝利を知らせ、鮑忠の首を届けました。
董卓は華雄の功績を認め都督の官を加えたとあります。
この後に、華雄は孫堅の軍と戦い祖茂を討ち取り、さらには連合軍の兪渉、潘鳳も討ち取っています。
鮑忠、兪渉、潘鳳は全て三国志演義の架空の人物であり、華雄の強さを引きだてると同時に、華雄を討った関羽を引き立てる為に創作だれたキャラだと言えるでしょう。
先にも述べた様に、鮑忠に見せ場は存在しません。