黄離弦は原泰久先生が考案した架空の武将であり、実在は確認する事が出来ませんでした。
本編では語られていませんが、黄離弦は中華十弓の一人だという事が判明しています。
秦の縛虎申や信が丘を駆け上がりますが、ここで立ち塞がったのが黄離弦とその連弩隊です。
黄離弦は隊長の縛虎申に致命傷を与えるも、弓矢を信に防がれ、最後は信の乗っている馬の踏ん張りにより最後を迎えました。
中華十弓の中で最初に登場したのが黄離弦であり、最も早く亡くなったのも黄離弦となります。
黄離弦の最後はキングダムのコミック6巻63話でタイトルが「奇跡」であり、馬が引き起こした奇跡により敗れたとも言えるでしょう。
映画キングダムでも黄離弦は登場しており、田口隆祐さんが演じました。
黄離弦の登場
蛇甘平原の戦いでは、最初のミッションは丘の上にいる宮元を討てば任務達成となり、信は千人将の縛虎申らと丘を駆け上がりました。
宮元の元に丘を駆け上る小隊がいるとの報告が入り、ここで呼ばれたのが黄離弦です。
縛虎申の軍は頂上まであと一息の場所まで辿り着きますが、黄離弦が弓で狙い撃ちにしました。
さらに、連弩隊の攻撃もあり、大量の弓矢が縛虎申の軍に襲い掛かりました。
黄離弦の弓
黄離弦の弓の腕前は確かであり、縛虎申の左胸も射貫く事になります。
黄離弦は縛虎申の左胸を射た時点で勝利を確信し去ろうとしますが、縛虎申は死んではおらず不敵な笑みさえ見せています。
これを見た黄離弦は「脳天を射ち抜いても笑えるかな?」と弓を構え発射しようとしますが、縛虎申を庇う様に信が現れたわけです。
ここまでの展開を見るからに、黄離弦が弓矢の達人だという事は明らかでしょう。
黄離弦と信の戦い
信が戦闘になり黄離弦の軍に突っ込んで行きますが、それを見た黄離弦は「哀れなそこまで秦は兵不足か」と述べています。
ここで温情を掛けるわけでもなく「だが敵は敵!全力で射殺す」と述べ、狙いを定めて矢を放ちました。
しかし、信は矢を剣で弾いたわけです。
これに驚いたのが黄離弦であり「バカな!俺の矢が見えたのか」と述べています。
多くの読者がこの時点で、黄離弦が討たれる姿が脳裏をよぎったのではないでしょうか。
黄離弦は信には矢が見えていたと冷静に判断しました。
それと同時に距離が縮まれば矢の体感速度が上がる事を理解しており、再び狙いを定めました。
この時に信は二回射られる事を理解しており、黄離弦の矢を二回防ぐ事が出来れば勝利できると確信したわけです。
黄離弦の最後
黄離弦は再び矢を放ちますが、信に見切られており剣でブロックされてしまいました。
それを見た黄離弦の部下達は連弩隊に一斉掃射しようとしますが、黄離弦は慌てる事無く「待て」と部下達を制止しました。
黄離弦はあくまでの自分で信を討ち取るつもりであり、連弩隊には他の騎馬を射る様に命じています。
蛇甘平原の戦いで魏は呉慶も討たれ秦に敗れるわけですが、個人的にはここで黄離弦が自ら信を討つ事に拘ったからだとも感じました。
信は黄離弦との距離が近すぎて弓矢を見切るのは不可能だと悟りますが、急所さえ外せば剣が届くと判断して矢に備えています。
しかし、黄離弦が狙ったのは信の馬の方であり、黄離弦は馬から落馬した信に対し弓矢で射ようとしたのでしょう。
実際に黄離弦は馬の顔を射抜いており「これで俺は何本でも射てる この距離でな さぁ童3本と持ちこたえられるのか?」と余裕を見せ勝利を確信します。
しかし、ここで思いがけない事が起きてしまい倒れそうになった馬が踏ん張り、黄離弦の方に跳ねたわけです。
キングダム第63話のタイトルが「奇跡」であり、正に戦場で奇跡が起きた事になります。
馬の本能なのか予期せぬ動きにより、信が剣を振ると黄離弦は真っ二つに斬られて最後を迎えました。
黄離弦は蛇甘平原の戦いで戦死という扱いになり、物語からもフェードアウトしています。
尚、黄離弦は中華十弓の中で最初に命を落とした者となります。