
輪虎は漫画キングダムに登場する架空の人物です。
蒙恬は輪虎を廉頗四天王の中で最も危険な男と評価しました。
輪虎は将軍として戦場で活躍するだけではなく、山陽の戦いの前には郭備や羅元なども討っており暗殺も得意としていました。
山陽の戦いは廉頗と蒙驁の因縁の戦いでもありましたが、輪虎と信、王賁、蒙恬との戦いでもあったわけです。
土砂降りの中で輪虎と信の一騎打ちは続きますが、輪虎は楚水に気を取られた隙に信に斬られました。
輪虎は自分が「天が廉頗に与えた飛槍」だと信じて戦い抜きますが、最後は信に左胸を突かれ最後を迎えています。
輪虎の死亡シーンはキングダム22巻・第231話『天の計らい』です。
尚、輪虎には目が開いたシーンがなく「目が見えないのではないか」と思うかも知れません。
しかし、キングダムでは同じく廉頗四天王の姜燕や蒙驁もいつも目を閉じており、決して目が見えないわけではないのでしょう。
将狩り
大梁には廉頗四天王の介子坊、玄峰、姜燕と共に輪虎もいたわけです。
廉頗が出て来ると輪虎は嬉しそうに話し「殿の勇士が再び見れるとなると、胸躍って体が宙に浮きそう」と述べています。
ここで廉頗は輪虎に「先に出て目ぼしい将校の首を狩って回れ」と命令しました。
廉頗は魏の景湣王から三千の兵を引き出す事が出来ると告げますが、輪虎は「三百人隊で十分」と応えています。
輪虎は三百人隊を率いて、秦のめぼしい将を狩りに行く事になります。
輪虎が郭備を暗殺
郭備は下僕出身であり、信の事を密かに応援していたわけです。
郭備は軍議に行きますが、途中で「郭備千人将おまちを」と声を掛けられました。
声を掛けたのが輪虎であり、次の瞬間には郭備の首を斬りました。
輪虎は見事に暗殺に成功したと言えるでしょう。
ただし、郭備配下の者達の多くが飛信隊に加わる事になり、副長の楚水は主君を暗殺した輪虎に対し、並々ならぬ感情を抱く事になります。
輪虎は馬告も暗殺し、蒙驁軍の千人将は一晩で8人も輪虎により討たれました。
廉頗の飛槍
輪虎が暗殺を行っている最中に、魏の大梁では景湣王と廉頗が話をしていました。
景湣王は廉頗の側近の輪虎が「三百人」を率いて将校を討ちに行ったと聞き、「儂に言えば数千の兵を与える事が出来たのに」と嘆きました。
しかし、廉頗は「輪虎が三百と言えば三百で間違いない」と応えますが、景湣王は輪虎の容貌を「女子の如き少年」と述べたりしており、とても信じられなかったわけです。
廉頗は「この廉頗の飛槍が軽いと仰せか」と凄味を利かせると、輪虎が秦の六将軍の王騎の鋼鉄の壁に風穴を開けて一刀を叩きこんだ」と述べました。
景湣王は廉頗の話を聞くと興奮する事になります。
廉頗と景湣王が話をしている頃に、輪虎は秦の将軍である羅元を討ち取りました。
輪虎と信の最初の戦い

羅元を討ち取った輪虎は馬で山を降りますが、殺気を放っており多くの者が怯みました。
しかし、信は輪虎の殺気にも怯まず、討ち掛かりますが、輪虎に手を掴まれ馬から投げられる事になります。
輪虎は信の名前を確認しますが、リストから漏れており廉頗の元に帰ろうとしました。
この時に信が郭備を討ったのが輪虎だと気付き、輪虎と信の戦いとなります。
輪虎は「僕が討った千人将達よりも、この子の方が持っている」と述べると、信に襲い掛かりますが、渕や尾平が投げやりで助太刀に現れた事で輪虎は撤退に移りました。
馬首を返した輪虎に対し、信は「三百将なのか」と問いますが、輪虎は「僕は将軍だよ」と応えますが、信は信用せず「お前みたいなガキが将軍なわけない」と述べますが、輪虎は年齢が三十代だと明かしています。
輪虎は「天に寵愛される武将は一握り」だと語ると、その場を去りました。
信は輪虎が述べた「天に寵愛される武将」という言葉が引っ掛かる事になります。
これが輪虎と信の最初の戦いでしたが、実力で言えば輪虎が圧倒していたと言えるでしょう。
輪虎と桓騎
王騎は王翦と桓騎を「世がまだ気付いていない化物」だと評価していました。
輪虎は桓騎の陣を丘の上から眺めていましたが「行けば必ず全滅する」と近づく事をしなかったわけです。
輪虎は桓騎の陣を見て高く評価した事になるでしょう。
これにて戦いの前の輪虎の将狩りは終わりました。
輪虎と山陽の戦い
輪虎隊と玉鳳隊の戦い
山陽の戦いが始まりますが、輪虎は魏の先鋒隊8000を指揮する事になります。
魏兵は生真面目な者が多く、よそ者である輪虎が指揮を執ってもきっちりと戦いました。
輪虎は「魏軍は粘り強い」と評価しています。
輪虎も戦闘を始めると、いきなり太雲千人将を討ち取りました。
王賁が率いる玉鳳隊も輪虎は押しまくり、遂には王賁は一騎打ちを望みますが、輪虎は「興味ないな」と攻撃を指示しています。
輪虎が廉頗四天王で趙の三大天と秦の六将の時代を潜り抜けて来た事を知らせると、番陽は驚きました。
王賁と王賁の一騎打ち
王賁が輪虎に対し、槍で突きを連発しますが、輪虎は全て剣でいなしました。
番陽は輪虎と王賁の戦いをみていましたが「あの男の体はかすり傷一つおっていない」と述べ驚きを見せています。
王賁は必殺技である「龍指」を出すと、血が出ますが致命傷にはならず外す事に成功しています。
しかし、龍指を出した時に、輪虎は剣を投げており、王賁の体に剣が刺さっていました。
番陽は王賁の助太刀に入りますが、輪虎のパワーに苦戦する事になります。
王賁は再び戦闘態勢に入りますが、信が率いる飛信隊が前線に投入されました。
ここで玄峰の策が発動されると、輪虎は退く事になります。
輪虎と玄峰
翌日の戦いで介子坊が桓騎の本陣に向かいますが、この隙に桓騎は玄峰を討ち取っています。
玄峰の死を聞いた輪虎、姜燕、介子坊主らは驚きを隠せませんでした。
夜になると部下達は「気持ちは分かりますが・・」と告げた上で、軍議を開く様に輪虎を急かしますが、輪虎は「うるさいな」と述べると、ただ空を見上げていました。
ここで輪虎が戦災孤児であり餓死する所を廉頗に拾われたと話します。
輪虎は戦術を玄峰に教えられ、殿(廉頗)が父なら玄峰は祖父の様な存在だったと告げています。
玄峰は輪虎にとって二番目の恩人であり「恩を返さなくてはいけない人」とも述べました。
輪虎は部下達が「気持ちが分かる」と軽々しく発言した事でイラっとしていたわけです。
輪虎は部下達に「この夜に殿は新しい戦略を固められる」「僕らはそれに従うだけ」と告げました。
四天王で最も危険な男
この時に秦軍の方では信、王賁、蒙恬が話をしていましたが、蒙恬は「輪虎が四天王で最も危険な男」と評しています。
蒙恬が輪虎が過去に王騎の本陣に突入して、一太刀浴びせた話をすると、信は驚きました。
それと同時に蒙恬は楽華隊、玉鳳隊、飛信隊で「輪虎を討ち取ろう」と告げています。
蒙恬は「輪虎を止めるには先に仕掛けて殺すしかない」と策を披露しました。
蒙恬は輪虎をかなり警戒しているのが分かるはずです。
輪虎兵
山陽の戦いの五日目が始まると、蒙恬が前に出て、後ろに王賁と信が控える態勢となります。
蒙恬は前線で軍をさらに分けて、輪虎の軍に攻撃を始めました。
蒙恬は輪虎の強さの秘密は、輪虎と共に修羅場を潜り抜けてきた輪虎兵にあると考えていました。
輪虎は魏に亡命する時に、700の兵を連れて来ており、これが輪虎の強さの秘密だと考えたわけです。
蒙恬は輪虎兵を狙い輪虎の方でも「自分の直属の兵がやられている」と悟りました。
楽華隊は多くの兵を失いはしましたが、輪虎兵もかなり数を減らす事になります。
輪虎は輪虎兵を一旦後退させました。
蒙恬は合図を出し玉鳳隊と飛信隊の騎馬突撃を促しています。
楚水らの奮戦もあり、信と王賁は輪虎の前まで辿り着きました。
輪虎VS信・王賁

輪虎と信・王賁による1対2の戦いとなります。
ここで輪虎は「二人掛かりなら僕をどうこうできると思ったのかい」と凄みました
輪虎は最初に王賁をターゲットにしますが、玉鳳隊が助太刀に入るも「ジャマ」と呆気なく討ち取っています。
王賁は先の輪虎戦で負傷しており、輪虎はキレがないと語りました。
この時に信が輪虎の後ろから斬り掛かり、馬ごと吹っ飛ばすような怪力を見せています。
信は王賁を王騎の一族だと述べ、自らを「王騎の矛とその遺志を受け継いだ男」と述べると、輪虎に斬り掛かりました。
信は自分を「歴代最強の大将軍になる男」とも述べています。
不覚傷
輪虎との戦いで王賁は傷口が開き信は腕を二カ所斬られました。
信は輪虎を「超えなきゃならない壁」と位置づけ、さらに火力を上げる事になります。
輪虎は信を追い詰めて行きますが、信は「限界を超える」事になり、輪虎も「化ける」と感じ始めました。
この時には王賁は傷口が開いており、戦いに参加するのが難しくなっています。
信は空中から攻撃すると、輪虎は何とか防ぎますが、左指二本と馬を失う事になります。
王賁の言葉もあり、信は撤退を決断しました。
輪虎は失った二本の指を見て「不覚傷」と呟いています。
それだけではなく、飛信隊の信は強かったと実力を認めました。
魏軍の覚悟
前日の戦いで輪虎兵は多くを失っており、輪虎は介子坊に援軍を送って貰う事にしました。
魏良は「もっと我々(魏軍)の力を信用してくだされ」「足りない部分は気持ちで埋めて見せまする」と述べると、魏の士気は大いに上がりました。
魏軍の士気の高さを見た輪虎は介子坊の兵を待たず戦闘を始める事になります。
輪動

輪虎は秦軍と戦闘に入りますが、ここで「輪動」という陣を発動させました。
蒙驁も輪動を見て驚きますが、輪虎はあっさりと秦の将軍である栄備を討ち取っています。
栄備を討った事で、輪虎は秦軍の一部の戦力が麻痺した事を悟りました。
輪虎と信の最後の戦い
輪動は再び信との一騎打ちになりました。
信の攻撃を輪虎は片手でさばき、去亥は信に「手が使えない左側に回り込め」と言いますが、輪虎は巧みに馬を操り左側に回らせない様にしました。
輪虎と信の一騎打ちは続きますが、剣技では輪虎の方が上であり信は「目をそらせば 即あの世行きだ」とも語っています。
それでも、輪虎の額には汗が流れ飛信隊の強さを認めました。
輪虎は馬上でのぶつかり合いで、信の股を斬りますが、信は輪虎の体ごと地面に落下させています。
この時に輪虎は背中に怪我を負う事になります。
輪虎は信の異常な程の精神の強さも認めました。
土砂降りの雨の中で一騎打ちは続けますが、この時に魏良が割って入りますが、楚水が止めました。
楚水は主君である郭備を討たれており、恐ろしい程の殺気を輪虎に向ける事になります。
輪虎は反射的に楚水に斬り掛かり、信から注意が外れており、次の瞬間に信は輪虎を斬りました。
輪虎の最後
信は手ごたえがあり、これで戦いが終わったかに思えましたが、予想に反して輪虎は立ち上がりました。
輪虎は「殿が待っている負けられない」と述べると、「僕は天の与えし廉頗の剣だからね」と述べています。
輪虎の故郷は戦火に巻き込まれ村人は皆が死にました。
輪虎は妹と共に飢え死にを待つ身でしたが、近くを廉頗が通り掛かります。
廉頗は水と食料を与える様に述べますが、輪虎は妹に水と食料を与える様に願いました。
しかし、妹は既に亡くなっており、体からは蛆が湧いていたわけです。
輪虎は廉頗や玄峰に育てられ、廉頗と自分の関係を「天が出合わせた剣がこの僕」と解釈していました。
ここで信は漂との出会いを思い出しており、さらには嬴政や王騎、尾到、縛虎申らの事を思い出しています。
信は輪虎と戦った事も糧にして前に進むと宣言しました。
輪虎は廉頗が趙から魏に亡命した時点で「自分の役目は終わっていたのかも知れない」と気付く事になります。
輪虎は信に左胸を突かれ最後を迎えました。

信は輪虎を「何度も死を覚悟したヤバい奴だった」と輪虎を認めています。
輪虎の剣を信が持ち去る事になります。