春秋戦国時代 西周

非子(秦嬴)は秦に封じられる

2024年2月26日

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宮下悠史

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名前非子(ひし)
別名秦嬴
時代西周
主君周の孝王
コメントに封じられる

非子は西周王朝の時代の人物であり、馬の飼育の技術が非常に優れていました。

周の孝王は非子の功績を認めに封じる事になります。

非子がに封じられたのが、春秋戦国時代を通して活躍する秦の始まりでもあります。

秦は戦国七雄の国々を滅ぼし最後は天下統一しました。

後の時代の事を考えれば、非子は秦の始祖と言うべき人物となります。

尚、非子は周の孝王の意向もあり、秦嬴と号す事になり、これが嬴氏の始まりとも言えるでしょう。

非子の出自

史記の秦本紀によれば、非子は殷の時代の蜚廉や悪来の子孫という事になっています。

非子の父親は大駱であり、既に成という後継者がいました。

大駱や非子は周の孝王の時代であり、同じく蜚廉を始祖とする周の穆王の時代に趙城に封じられて、既に領地を持っていました。

当時の非子は諸侯というわけでもなく犬丘にいたとあります。

周の懿王は犬丘に遷都しており。非子は周の首都にいた事にもなるでしょう。

非子は馬や家畜に関わる技術を持っており、非子の事を周の孝王に言上した者がいました。

これにより非子に出世のチャンスが回ってくる事になります。

尚、古代オリエントではミタンニのキックリなる人物がヒッタイトに馬の技術を教え重宝された話があります。

古代の時代では馬に関わる技術を持っている人物は洋の東西を問わず重宝されたのでしょう。

非子の功績

周の孝王は非子を召して話をすると、試してみようと思ったのか汧水と渭水の間の地で、馬の飼育を行わせる事になります。

非子は元々馬や家畜を好んだ事もあり、才能を発揮して馬の繁殖に成功しました。

周の孝王は非子の功績を認め大駱に働きかけて、大駱の後継者を非子にする様に要請する事になります。

しかし、既に大駱には申候の娘との間に出来た成という嫡子がおり、周の孝王の「非子を後継者にする発言」に驚いたのが申候だったわけです。

非子が秦に封じられる

立場上として非子を後継者として認める事が出来ない申候は周の孝王に次の様に述べました。

※史記 秦本紀より

申侯「昔、私の祖先である酈山(人名の説と酈山に住んでいた者とする説がある)の娘は戎の胥軒の妻になり、中潏を生んでいます。

中潏は親が中国にいた事もあり周に帰りますが、西方の辺境の地を領有していました。

この為に西方は平和だったのです。

現在の私は大駱に妻を与え嫡子の成を生み申と駱とが、婚姻を重ねた事で西戎は服従し平穏を得ています。

周が天下の主となっているのは、西方が安泰だからであり、王にはこの事を熟考して欲しいと願います」

申侯の娘が大駱の妻となっている事で西戎が服従しているのだから、大駱の後継者を成から非子に変えるべきではないと申侯は述べた事になります。

申侯の言葉を聞いた周の孝王は次の様に述べました。

周の孝王「むかし舜の為に栢翳が家畜を司り、家畜が多く繁殖したと聞いている。

それ故に領地を賜わり姓を嬴とした。

栢翳の子孫が再び私の為に、馬を殖やしてくれたのだ。

私は非子に土地を与えて附庸にしたいと思う」

周の孝王は申侯の言葉を聞き非子を大駱の後継者にするのはやめましたが、別の土地を与える事にしたわけです。

周の孝王は非子をに封じました。

これが秦の始まりとなります。

ただし、非子を附庸としたとあるので子爵や男爵よりも低い位であり、小国を与えられたという事なのでしょう。

尚、申侯が後継者を変えない様に進言していた話しは的を得ていた様であり、周の孝王の時代に西戎が周王朝に馬を献上した話が残っています。

嬴氏の始まり

周の孝王は非子をに封じた事で、非子は秦に住む事になります。

ここで言う秦は甘粛・秦州地方を指すと考えられています。

周の孝王は非子に嬴氏の祭りを行わせ非子は秦嬴と号す事になります。

秦嬴(非子)が亡くなると、秦侯が後継者となり秦は世代交代しました。

初期の秦は小さな領地だったとは感じますが、秦嬴の代から秦が始まる事になります。

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