潘鳳は三国志演義に登場する架空の人物です。
潘鳳は董卓と反董卓連合の戦いである汜水関の戦いで登場します。
三国志演義で言えば、潘鳳の登場は第五回となります。
汜水関を守る将軍である華雄が鮑忠を斬り孫堅の軍を破りました。
華雄は連合軍を挑発し、袁術配下の兪渉が先に華雄と戦いますが、呆気なく打たれると韓馥が配下の潘鳳の名を挙げます。
これにより潘鳳は華雄と戦いますが、呆気なく討たれています。
虎牢関の戦いは三国志演義のオリジナルの話であり正史三国志には存在しない戦いです。
後に華雄は関羽に討たれる事になり、兪渉や潘鳳は華雄の強さを読者に印象付けた上で関羽に呆気なく討たれるという役柄となっています。
潘鳳は兪渉と同様に、関羽の強さを引き立てる為に想像した人物だと言えるでしょう。
尚、潘鳳の名前の由来などはイマイチ分かりませんが、潘鳳という名前が強そうだと感じた人は多くいる様に感じました。
今回は三国志演義の架空の人物である潘鳳の解説をします。
潘鳳の出陣
袁紹と曹操は反董卓連合を結成し、連合軍を率いて汜水関に攻め上りました。
この連合軍の中に潘鳳がいたわけです。
董卓は華雄に命じて李粛、胡軫、趙岑らと共に、汜水関で連合軍と対峙させています。
華雄は抜け駆けをした鮑信配下の鮑忠を破り、袁術が兵糧を送らなかった事で孫堅の軍も破りました。
華雄は連合軍を挑発し袁紹は袁術配下の兪渉を出しますが、呆気なく斬られる結果となります。
兪渉が斬られた情報に諸将は驚くと、韓馥が次の様に述べ潘鳳を推挙しました。
※三国志演義より
韓馥「我が配下の大将に潘鳳という者がおり、潘鳳なら華雄を討ち取る事ができましょう」
韓馥が潘鳳の名を出すと袁紹が出撃の許可を出し、潘鳳は華雄と戦う事が決定しました。
呆気なく敗れる
潘鳳は華雄と戦う事になりますが、この時に袁紹が「急ぎ出陣させた」と書かれており、兪渉が呆気なく斬られた事でかなり動揺している姿が描かれています。
潘鳳が出撃する時の描写があり、次の様に書かれています。
※三国志演義より
潘鳳は大斧を手にさげて馬に乗った。
上記の記述から潘鳳は大斧の使い手だという事が分かります。
三国志演義では徐晃なども大斧の使い手という設定になっていますが、潘鳳もまた大斧を武器としました。
潘鳳は大斧を持ち華雄に向かっていきますが、次の記述が存在します。
間もなく早馬が来て「潘鳳が華雄に討ち取られました」とする伝令が入った。
上記の記述から潘鳳が兪渉と同様に呆気なく斬られた事が分かります。
呂布と戦った武安国などは「腕を斬られた」記述はありますが、死んだとする記述はありません。
しかし、潘鳳は「討たれた」と書いてある以上は、華雄に簡単に一騎打ちで敗れ最後を迎えたと読み取ることが出来ます。
三国志演義では潘鳳が討たれた事を知ると、連合軍は「色を失った」とありショックが大きかった事が分かります。
袁紹は潘鳳が討たれ顔良、文醜を連れて来なかった事を後悔しますが、公孫瓚の元にいた劉備の義弟の関羽が出ると華雄は呆気なく討ち取られました。
三国志演義の潘鳳の役目は関羽を引き立てる役でしかなかったのでしょう。
尚、史実の韓馥を見ると、冀州牧として反董卓連合には加わりましたが、董卓軍と戦った記録もありません。
それを考えると、潘鳳と華雄の戦いは明らかに架空の戦いだと言えるはずです。
華雄も史実では孫堅軍に討ち取られています。