古代日本 日本神話

ヒノカグツチはかわいそうな火の神

2023年11月13日

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宮下悠史

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名前火之迦具土神(ヒノカグツチ)
別名軻遇突智、火産霊
秋葉明神、愛宕明神など
登場日本神話
両親父:イザナギ 母:イザナミ

ヒノカグツチは火の神として有名です。

しかし、誕生と共に母親であるイザナミを傷つけてしまいました。

イザナミはヒノカグツチが原因で亡くなり、父親のイザナギはヒノカグツチを十拳剣で斬り捨てています。

ヒノカグツチは斬られてしまいますが、特に本人が望んで悪い事をしたわけではなく「かわいそうな神」という事で同情も集まっているわけです。

ヒノカグツチは剣で斬られてしまいますが、その血からは出雲の国譲りで重要な局面を果たすタケミカヅチを誕生させました。

ヒノカグツチは可哀そうな神ではありますが、日本神話においてヒノカグツチの誕生こそがターニングポイントになったと言えるでしょう。

火の神が登場した事で、イザナギとイザナミの国造りは中断される事になり、日本神話は新たなる舞台へと移行します。

イザナミの命を奪ってしまったヒノカグツチですが、祀られている神社も存在しており、代表的な神社は最後に紹介してあります。

ヒノカグツチは全国の秋葉神社や愛宕神社に祀られている神様でもあります。

ヒノカグツチの誕生

国生みにより日本列島を誕生させたイザナギイザナミは、神産みを行い様々な神を誕生させ日本を豊かにしたわけです。

イザナミは神を産むわけですが、火の神であるヒノカグツチを出産しました。

ヒノカグツチは火の神であり誕生したと同時に、イザナミの体を傷つけてしまいます。

ヒノカグツチはイザナミを傷つけようと思って傷つけてしまったのではなく、火の神として誕生してしまったが故に母親であるイザナミを傷つけてしまったと言えるでしょう。

この時の傷が元でイザナミは亡くなってしまいました。

話の経緯を見る限りでは、ヒノカグツチはイザナミの死と直接的に関わっていますが、ヒノカグツチが悪いとは言えないはずです。

ヒノカグツチの最後

イザナギはイザナミを比婆の山に葬りますが、怒りはヒノカグツチに向けられました。

イザナギはイザナミの命を奪ったヒノカグツチを許す事が出来ず、十拳剣で斬り捨てています。

これによりヒノカグツチは最後を迎えました。

イザナギはヒノカグツチを斬ってしまいましたが、ヒノカグツチが自分の意思でイザナミを害しようと思ったわけではない為、不可抗力だったとも言えるでしょう。

ヒノカグツチが自分の意思ではどうこう出来なかった事であり、それ故にヒノカグツチに同情が集まり「かわいそう」「気の毒」などとする意見も多いわけです。

イザナギがヒノカグツチを斬ると、血が岩に飛び散り付着し三柱が誕生しました。

石折神根折神石筒之男神

イザナギの手に持っていた十拳剣の根元にヒノカグツチの血が付着しますが、岩石郡まで飛び散り三柱が誕生します。

甕速日神樋速日神建御雷之男神

ヒノカグツチの血から誕生した建御雷之男神が高天原随一の武闘派の神であり、大国主から出雲を譲らせた神でもあります。

古事記では建御雷之男神の別名として建布都神、豊布都神の名があると紹介されています。

イザナギの持っていた御刀の柄に集まった血が指の俣から漏れ出して、二柱を誕生させました。

闇淤加美神闇御津羽神

ヒノカグツチの血からは全部で八柱が誕生した事になります。

ヒノカグツチはイザナギに斬られてしまったわけですが、全身からも神が誕生しました。

頭・正鹿山津見神胸・淤縢山津見神
腹・奥山津見神性器・闇山津見神
左手・志藝山津見神右手・羽山津見神
左足・原山津見神右足・戸山津見神

さらに、イザナギがヒノカグツチを斬った刀にも神が宿っており天之尾羽張となっています。

日本神話では刀である天之尾羽張の子が建御雷之男神という設定にもなっており、出雲の国譲りの時に再び登場する事になります。

尚、天之尾羽張の別名は伊都之尾羽張だと伝わっています。

イザナギはヒノカグツチを斬ってもイザナミへの想いを忘れる事が出来ず、黄泉の国に向かいました。

ヒノカグツチのその後

斬られたヒノカグツチですが、この後に日本神話からは登場しなくなります。

ヒノカグツチは亡くなったという事は、黄泉の国に行ったとも考えられるはずです。

イザナギはイザナミを求めて黄泉の国に向かいますが、ヒノカグツチは一切登場しません。

黄泉の国イザナミとヒノカグツチが再開したのかもよく分からない状態です。

ただし、ヒノカグツチは斬られた事で新しい神が分裂し誕生したわけであり、見方を変えれば分裂しただけで死んではいない事になります。

神話の世界では人間と違う設定が可能であり、ヒノカグツチにも適用された可能性もあります。

ヒノカグツチは何を現わしているのか

ヒノカグツチが斬られて多くの神が誕生したのは、雷が落ちて樹木が焼かれる様子を現わしているとも考えられています。

自然現象からヒノカグツチをイメージした説です。

他にも、イザナミが陰部から火の神であるヒノカグツチが出るのは、マグマが噴火した事を指すと考える人もいます。

実際に日本は火山列島であり、縄文時代には鬼界カルデラの大噴火により多大な被害を被ったわけです。

縄文人にとっても弥生人にとっても火山は恐ろしい存在であり、ヒノカグツチは母親をも殺害してしまう恐ろしい神として描かれたとする説もあります。

尚、ヒノカグツチが、鉄器鋳造を表しているする説もあります。

ヒノカグツチの体や血から生まれた神々は、山や農耕、鉄などの生産活動と密接に関わっている事が理由です。

火は人間の命を奪い自然環境を破壊する存在でもありますが、鉄を溶かしたり、燃料を燃やしたりと人々の暮らしを、豊かにするものでもあります。

イザナミが火の神であるヒノカグツチを生んで亡くなるのは、火には文明を発展させる力もあれば、文明を滅ぼす力もある事を示している教訓だとする説となります。

人間は火を手に入れた恩恵と共に、時として多大なる犠牲を払う事にも繋がるという事です。

火が使えれば技術発展により鉄器鋳造が出来る様になります。

古代の国家では鉄器鋳造は大事であり、鉄を持った事で生産力が飛躍的に上がったりもするし、戦いで勝つための武器が製造される事になります。

古事記は日本平定の為の物語とする考えもあり、火を使う民族を大和朝廷が帰服させたのが、イザナキによるヒノカグツチの殺害だったのではないかとも考える事が出来るはずです。

出雲の国譲りも見方を変えれば、当時は最大の鉄の産地だった出雲を掌握する為の大和王権の戦いだったとする説もあります。

尚、最近はみなくなりましたが、日本ではかまどを祀ったりする風習がありました。

かまどに神が祀られるのは火に対する畏怖の表れだとも見る事が出来ます。

因みに、イザナギがヒノカグツチを嫌った別説があり、イザナミは子供が出来た事で子供の面倒ばかりを見る様になり、イザナギは拗ねて子供嫌いになったとする説です。

イザナギが子供嫌いでヒノカグツチを斬ったとしたら、これもまた「ヒノカグツチは可哀そう」となる様に感じました。

ヒノカグツチは母親の命を奪ってしまいましたが、個人的にはヒノカグツチに非はないと感じている人が多いはずです。

ヒノカグツチを祀る神社

神社名住所電話番号
秋葉山本宮秋葉神社静岡県浜松市天竜区春野町領家841053-985-0111
火男火売神社大分県別府市火売8-10977-66-2402
火神神社岐阜県下呂市萩原町宮田1989番地2
愛宕神社(東京都港区)東京都港区愛宕一丁目五番三号03-3431-0327
玉造稲荷神社大阪市中央区玉造2丁目3番8号06-6941-3821
花の窟神社三重県熊野市有馬町1300597-89-2881
伊豆山神社静岡県熱海市伊豆山708−10557-80-3164
大泉氷川神社東京都練馬区大泉町5丁目15−503-3924-3896
産田神社三重県熊野市有馬町1814
白山神社摂社・境内社(愛知県)愛知県春日井市二子町2丁目11ー30568-32-0012

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