斉(戦国) 春秋戦国時代

夏侯章は悪口で主君の評判を高めた

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宮下悠史

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名前夏侯章
読み方かこうしょう
時代春秋戦国時代
登場戦国策

夏侯章は戦国策に名前が登場する人物であり、孟嘗君の食客でもあります。

孟嘗君には馮驩や鶏鳴狗盗に代表される様な様々な食客がいましたが、夏侯章もその一人です。

夏侯章は主君である孟嘗君からは重用されていたのに、常に悪口を言いふらしていました。

普通であれば孟嘗君は怒りそうなものですが、孟嘗君は怒る事もせず放置しています。

後に夏侯章の意図が分かり「自分が悪口を言っても意に介さない孟嘗君」という構図が出来上がり孟嘗君の名声が大きくなる事に貢献しました。

今回は、かなりマイナーな人物ではありますが、孟嘗君の食客の一人である夏侯章を解説します。

孟嘗君への悪口

戦国策によると孟嘗君は馬四頭分の飼糧と百人分の食い扶持を以って夏侯章を歓待しました。

夏侯章は孟嘗君から信じれない位の厚遇を受けた事になります。

しかし、夏侯章は口を開けば孟嘗君の悪口をいうなど、酷い有様でしたが、孟嘗君は気に掛ける事もなく夏侯章への持て成しを続けました。

夏侯章が悪口を言い続け、意に介さず厚遇し続ける孟嘗君という構図が生まれたわけです。

この不思議な光景が世間で噂となります。

夏侯章の意図

夏侯章と孟嘗君の姿を見て不思議がった董之繁青が夏侯章に訪ねると、夏侯章は次の様に応えています。

※戦国策より

夏侯章「孟嘗君は諸侯でもないのに、私を馬四頭分の飼糧と食い扶持で遇して下さっている。

私は功績も無いが、孟嘗君への好意のしるしとして誹っているのだ。

我が主君である孟嘗君が天下に有徳の士として名が通っているのは、私が身を尽くして誹っているからである。

私は身を以って仕えているのだ。

周りの言葉を畏れて黙っている事は出来ない」

夏侯章は孟嘗君の威名を高める為に誹っているというわけです。

夏侯章が誹れば誹る程に、天下の者は「孟嘗君は誹りも気にする人物ではない」と評判が高まるという事になります。

戦国策の話では夏侯章は悪口をいう事で世間に孟嘗君の度量の深さを知らしめたという話しになっています。

夏侯章の話は本当なのか?

夏侯章の話ですが、本当か?と言われれば疑問があります。

孟嘗君を誹れば誹る程、評判が高まると言いますが、あくまでも孟嘗君の伝承が生んだ説話だと考えるべきでしょう。

話しが余りにもよく出来過ぎていると感じました。

実際に孟嘗君の声明が天下に鳴り響き多くの食客を養っていたのは事実ですが、ここまで極端な話になると信用するのは難しいと言えます。

尚、司馬遷は史実と言い難い話であっても史記に掲載していますが、夏侯章の話は余りにも常識とかけ離れており、司馬遷も史記に載せる事は出来ないと判断した様に感じました。

孟嘗君は夏侯章に最上級の待遇をしているわけですが、最上級の持て成しで自分を誹るのであれば、余りにも割にあわないとも感じています。

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