古代日本 日本神話

国之常立神は正体不明の謎多き最高神

2023年10月15日

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宮下悠史

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名前国之常立神
読み方くにのとこたちのかみ
別名国常立尊、国底立尊
御利益出世成功、商売繁盛、縁結びなど
神格国土形成の根源神
コメント神世七代の初代

国之常立神は日本神話に登場する神となります。

日本書紀の本文で一番最初に名前が登場する神である事から、国之常立神が最高神として扱われています。

日本書紀では異伝も含めると、国常立尊や国底立尊の名前で記載があります。

神世七代の筆頭が国之常立神だと言ってもよいでしょう。

古事記では天之常立神が天を定め、国之常立神が大地を定めるなど対になっているが如く描かれています。

ただし、古事記でも日本書紀でも国之常立神の名前は登場しますが、特に何をしたのかも分からず隠れてしまったわけです。

その為、国之常立神は謎多き正体不明の神でもあります。

室町時代に吉田兼倶が国之常立神を、天之御中主神と共に宇宙の根源神とする神として祀り上げました。

これが吉田神道であり、国之常立神が深く信仰される事になります。

国之常立神の記述

古事記

古事記では天地開闢の時に、最初に天之御中主神が登場し、高御産巣日神神産巣日神造化三神が現れては隠れました。

次に宇摩志阿斯訶備比古遅神天之常立神も現れては隠れています。

ここまでに登場した神を別天神と呼び、別天神が隠れた後に、国之常立神が現れました。

その時の様子を、古事記には次の様に記載しています。

※古事記より

次に現れた神の名は大地が定まったという国之常立神。

上記の記述から、国之常立神が大地を創造した神だという事が分かるはずです。

別天神の最後に登場した天之常立神が高天原を創造したとも考えられており、大地を生成した国之常立神とは対照的な存在となっています。

国之常立神からが神世七代となります。

国之常立神の次に、豊雲野神が現れますが、この二柱も別天神と同様に独神だったと伝わっています。

国之常立神と豊雲野神も別天神らと同様に何もせずに隠れてしまいました。

古事記の記述を見ると国之常立神は大地を造った神とも考えられますが、この時はまだイザナギイザナミも登場しておらず、日本列島は誕生してはいません。

日本書紀の記述

日本書紀だと天地が定まっていない混沌とした時代があり、後に天地が定まり国之常立神が現れた事になっています。

国之常立神は葦の芽の様な形をしていたとも記載があります。

日本書紀の記述を見る限りでは、国之常立神は何もない所から現れた神だと言えるでしょう。

国之常立神の後に国狭槌尊、豊斟渟尊(豊雲野神)が現れました。

日本書紀によれば、この三柱は「純粋な男性神」であったと書かれています。

国之常立神と豊斟渟尊は古事記では独神となっていますが、日本書紀では男性の神という事になっているわけです。

日本書紀では異伝が幾つか書かれていますが、天地が定まる前後のどちらかで国之常立神が登場しています。

日本書紀の一書第三では、国之常立神よりも先に宇摩志阿斯訶備比古遅神が先に現れています。

しかし、国之常立神は日本書紀の異伝を見ても多くの場合で最初に誕生した神となっています。

日本書紀における神々の最高神は国之常立神と言ってよいでしょう。

ただし、古事記同様に国之常立神の逸話は一切ありません。

国之常立神の子孫

国之常立神は独神とも男神ともされていますが、日本書紀の一書第二では国之常立神の子孫の話が記録されています。

日本書紀の一書第二によれば、国之常立神は天鏡尊を生んだとあります。

さらに、天鏡尊が天万尊を生み、天万尊が沫蕩尊を生み、沫蕩尊が伊弉諾尊を生んだとあります。

沫蕩尊はアワナギとも呼ばれると記述されています。

日本書紀の一書第二を読む限りでは、神世七代の一部の神は国之常立神の子孫という事になるのでしょう。

吉田神道

室町時代に吉田兼俱が現れ吉田神道を唱える事になります。

吉田神道の主祭神として選ばれたのが国之常立神です。

吉田神道で国之常立神は八百万の神の中心にある神だとしました。

吉田兼倶は国之常立神を祀り吉田神道を広めた人物ですが、権謀術数にも優れており問題行動を起こした逸話も残っています。

しかし、吉田神道では人間であっても神として祀る事を推奨しており、後に豊臣秀吉や徳川家康が祀られる一因をつくっています。

吉田兼倶は国之常立神の名を広めるだけではなく、世の中に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

国之常立神が祀られている神社

国之常立神は出世成功、開運招福、悪霊退散、厄除け、商売繁盛、病気治癒、縁結びなど様々な御利益があるとされています。

国之常立神の「国」は国土を意味し、「常」は底の事で土台を意味します。

永久不変の大地に国之常立神は宿っているとも考えられています。

国之常立神は日本書紀だと最高神の位置し、神社への参拝もお勧め出来ます。

西金砂神社 茨城県常陸太田市上宮河内町19150294-76-9251
大鳥神社東京都目黒区下目黒3丁目1−203-3494-0543
玉置神社奈良県吉野郡十津川村玉置川10746-64-0500
御嶽神社長野県木曽郡王滝村3315番地0264-48-2637
日枝神社東京都千代田区永田町2丁目10番5号(共通)03-3581-2471
熊野速玉大社和歌山県新宮市新宮1番地0735-22-2533
大宮子易両神社山形県西置賜郡小国町大宮2370238-62-2347
聖神社埼玉県秩父市黒谷字菅仁田21910494-24-2106
宇奈岐日女神社大分県由布市湯布院町川上22200977-84-3200
國常立神社奈良県橿原市南浦町326
荒澤神社宮城県本吉郡南三陸町志津川袖浜56
蘇羽鷹神社千葉県松戸市二ツ木1732047-341-9919
若桜神社鳥取県八頭郡若桜町若桜6340858-82-1068
徳守神社岡山県津山市宮脇町50868-22-9532
戸倉神社宮城県本吉郡南三陸町戸倉30
山津照神社滋賀県米原市能登瀬3900749-54-2913
城南宮京都府京都市伏見区中島鳥羽離宮町7075-623-0846
芦屋神社兵庫県芦屋市東芦屋町20−30797-34-1833
小村神社高知県高岡郡日高村下分17940889-24-7466
厳島神社(東京)東京都練馬区26
貴布禰伊龍神社東京都西多摩郡檜原村下元郷266
恵比寿神社東京都渋谷区恵比寿西1丁目11−1
中曽根神社東京都足立区本木2丁目5−7

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