古代日本 日本神話

ウマシアシカビヒコヂ(宇摩志阿斯訶備比古遅神)が生命の始まりだった!?

2022年2月19日

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名前ウマシアシカビヒコヂ(宇摩志阿斯訶備比古遅神)ウマシアシカビヒコヂノカミとも
別名可美葦牙彦舅尊(日本書紀)
登場古事記、日本書紀
分類別天津神
コメント生命の神ともされる
関連宇麻志神社、出雲大社、高見神社、浮嶋神社など

ウマシアシカビヒコヂは別天津神に分類される原始の神です。

日本書紀では可美葦牙彦舅尊の名前で登場します。

ウマシアシカビヒコヂは古事記によれば、造化三神に続き4番目に登場する神となりますが、隠れた後は一切の記述がありません。

ただし、地上から葦の芽が伸びて来た様な記述があり、生命の根源とも言える様な神だったのではないか?とも考えられています。

ウマシアシカビヒコヂに対しては古事記では、独神だったと記載がありますが、実際には男神だったのではないか?とする説もあります。

ウマシアシカビヒコヂに関しては、分からない事も多くの専門家も、様々な想像を元に解説している場合も多いです。

今回は生命の神とも考えられ、葦の芽の様な神と揶揄されるウマシアシカビヒコヂを解説をします。

尚、ウマシアシカビヒコヂは存在感は薄いと感じるかも知れませんが、祀っている神社もあり、御利益を求めて訪れる方もいます。

後述しますが、足に関する治癒や農業に関するご利益が期待出来るようです。

ウマシアシカビヒコヂを祀っている神社は、最後に紹介してあります。

ウマシアシカビヒコヂの記述

古事記によれば、造化三神が現れて隠れた後に、次の記述が存在します。

地上の世界はまだ不完全であり、水に浮かぶ動物性の脂肪の様であった。

そして、くらげの様にぷかぷかと漂っていた時に、水辺の葦がはじめて芽が出る様に萌えあがったものがあった。

そこから現れた神の名は宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコヂ)。

次に天下定まったという天之常立神(あめのとこたちのかみ)。

この二柱の神も独神であり、その身を隠しておられた。

以上の五神は別天津神である。

上記の記述からウマシアシカビヒコヂが造化三神の次に現れた4番目の神だと言う事が分かります。

さらに、ウマシアシカビヒコヂが別天津神に分類される事も分かるはずです。

別天津神は造化三神の天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神に、宇摩志阿斯訶備比古遅神と天之常立神の二柱を加えた五柱を指します。

ウィキペディア・別天津神より

尚、別天津神の中では天之御中主神、ウマシアシカビヒコヂ、あめのとこたちのかみはこれ以降は登場しません。

しかし、高御産巣日神、神産巣日神は天照大神の相談役になったり、地上の大国主を助けるなど再び記述がみられます。

縁起の良い名前の神

ウマシアシカビヒコヂは、漢字にすると下記の様な形になります。

宇摩志阿斯訶備比古遅神

これを「宇摩志」「阿斯訶備」「比古遅神」で分けます。

「宇摩志」の部分は、『旨し』『美味し』『うまし=素晴らしい』と同義語だとされています。

「阿斯訶備」の部分は、葦の芽を意味します。

葦は水辺の近くで生息する事が多く、川の周りによく生えている植物です。

これらを考えると、宇摩志阿斯訶備比古遅神は生命の誕生だけではなく、縁起のよい名前の神だと考える事も出来ます。

生命の息吹を感じる名前となっているわけです。

ウマシアシカビヒコヂは男神だった!?

ウマシアシカビヒコヂは古事記には独神だったと記述があります。

しかし、ウマシアシカビヒコヂは男神だったのではないか?とする説もあります。

ウマシアシカビヒコヂが男神だとする理由は「不完全な地上に葦の芽が萌えあがった」とする記述がある為です。

この記述から、地上に何かが出て来た事が分かるはずです。

この突起物が男性器とする説があります。

ウマシアシカビヒコヂは漢字にすると「宇摩志阿斯訶備比古遅神」であり「比古遅神」の部分が『男神』になるとも考えられています。

ただし、神世七代で角杙神、活杙神がおり、こちらが男性器を指すとする説もあります。

日本神話は簡略な記述が多くなってしまうのですが、ウマシアシカビヒコヂは人間の男性を現わしていると言う説もあるわけです。

草の誕生だった

ウマシアシカビヒコヂは草を指すとする説もあります。

地上で最初に誕生した生命は草であり、この草がウマシアシカビヒコヂだとする説です。

つまり、クラゲの様になっていた地上に、ウマシアシカビヒコヂという草が生えて来て、生命の誕生と見る事も出来ます。

泥の中で生命が育み出て来たのが、ウマシアシカビヒコヂとも考えられるでしょう。

尚、泥は生命の宝庫とも考えられイザナギとイザナミの第一子であるヒルコは、海に流されますが、泥で命を吹き込まれ七福神の恵比須様となり帰ってきたとする話しもあります。

因みに、イザナミが火の神であるカグツチを生んだ時に亡くなり、イザナギが黄泉の国を訪れた話があります。

黄泉の国で人間の事を「青人草」と呼んだ話があり、古代の人も感性では人間も「草」だと感じていたと、読み取る事も出来るはずです。

ただし、古事記や日本書紀の記述を見ると、人間がどのタイミングで生まれたのか記述がありません。

しかし、イザナギとイザナミの関係が決裂した時に、人間の生死に関わる発言をしており、この時点では人間が誕生している事が分かります。

神話の世界は奇想天外な部分もあり、はっきりとしませんが「ウマシアシカビヒコヂ」が生命と関わっている事は間違いなさそうです。

ウマシアシカビヒコヂが祀られている神社とご利益

ご利益

農業守護開運招福五穀豊穣健脚交通安全足の病の治癒

神社

出雲大社などは知名度抜群であり、大国主の出雲の国譲りや因幡の白兎を連想するかも知れません。

しかし、出雲大社には大国主だけではなくスサノオ、スセリビメなどと共にウマシアシカビヒコヂも祀られています。

出雲大社は別天津神の全員が祀られている神社でもあります。

神社名住所電話番号
宇麻志神社〒678-0092 兵庫県相生市矢野町11030791-29-0556
出雲大社〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東1950853-53-3100
胸形神社栃木県鹿沼市村井町1088
浮嶋神社〒791-0213 愛媛県東温市牛渕584番地089-964-8752
蟻通神社〒598-0034 大阪府泉佐野市長滝814072-465-0897
物部神社〒694-0011 島根県大田市川合町川合15450854-82-0644
高見神社〒805-0016 福岡県北九州市八幡東区高見1丁目1-1093-651-5108
石切剱箭神社〒579-8011 大阪府東大阪市東石切町1丁目1−1072-982-3621
出雲路幸神社〒602-0814 京都府京都市上京区幸神町303075-231-8774

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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