洛亜完は漫画キングダムに登場する架空の人物であり、韓の第一将でもあります。
いつも冷静沈着なその姿に「カッコいい」と思った人も多いのではないでしょうか。
洛亜完は英呈平原の戦いや東砂平原の戦いで秦軍に敗れ、新鄭に引き上げました。
韓の新鄭が無血開城となると、洛亜完は韓の降伏に反対する血気盛んな将校らと共に城を出る事になります。
洛亜完の目的は韓の不満分子を外に出す事であり、流血を最小限に抑える事でした。
この時の洛亜完に「漢」を感じた人は多いのではないでしょうか。
その後の洛亜完は寧姫の侍女たちの言葉で、全滅したと伝えられており、死亡したと見られています。
ただし、死亡シーンが描かれてはおらず、本当に最後を迎えたのかは不明です。
尚、洛亜完には騰との間に友情の様なものが芽生えており、その辺りも物語を面白くさせていると感じました。
洛亜完の過去と凶星
洛亜完は過去に魏や趙から凶星の名で恐れられた武将だと判明しています。
隆国の言うには、二十数年前に三晋の魏、趙、韓が激しく争っていたと言います。
この時の韓は魏の呉慶を撃退し、趙の三大天である廉頗率いる趙軍も返り討ちにしました。
趙軍の描写から廉頗だけではなく韓との戦には輪虎、姜燕、介子坊も描かれており、参戦したと思われます。
韓や魏との戦いで「耳を疑う程の活躍」をしたのが、若き日の洛亜完と博王谷だったわけです。
この時の洛亜完も博王谷も千人将になったばかりだったとあります。
洛亜完と博王谷は多くの将校を討ち取り、韓を代表する将軍となり凶星と畏怖されました。
洛亜完や博王谷の名は天下に響きますが、この後に韓は大戦を行うだけの国力を保てず、戦いが行われなくなり二人の名も消えていきます。
列国は洛亜完や博王谷を登用しようとしますが、一切応じなかったと言います。
洛亜完及び博王谷は忠臣でもあるのでしょう。
これらの事は騰の回想シーンで出て来る事になります。
洛亜完と騰
洛亜完と騰の出会い
騰は李信や録嗚未などを連れ韓の首都である新鄭にやってきました。
騰たちは新鄭に入城しますが、この時に韓の公主である寧姫が遮りました。
寧姫との間で一触即発の状態となりますが、洛亜完が兵を率いて割って入る事になります。
この時の洛亜完の隣には副官のヨコヨコもいました。
洛亜完は騰に状況を丁寧に説明し「少し話ながら行こう 戦場ではなく こういう形で騰将軍と会話が出来ることは滅多にない」と述べています。
この辺りは洛亜完の人間性の良さがよく出ていると思いました。
騰の方でも「韓の第一将と話せるのは心が躍る」と歓迎しています。
この時に洛亜完と騰の間で、友情の様なものが芽生えたのではないかと感じました。
李信も洛亜完が気後れしない性格を見て「相当やる」と実力を感じ取っています。
洛亜完と騰の信頼
ここで寧姫が李信と言い合いになりますが、洛亜完が現れ「この洛亜完がいる限り韓は滅びませぬ」と述べています。
洛亜完は騰に「もう行け騰。本当はもう一晩くらい酒を交わしたい所だが、これ以上 お前たちに王都を見られるのは面白くない」と語りました。
録嗚未は「1日みれば十分だ」と思いましたが、騰は別の事を考えており「姫を頼むぞ洛亜完」と述べています。
騰にとって洛亜完は敵ではありますが、信頼できる人だと感じ取っていました。
実際に洛亜完は韓の国を思い動く事になります。
尚、韓非子は秦で亡くなっています。
英呈平原の戦い
軍議
韓では張宰相を中心に軍議が開かれますが、洛亜完は「秦が新鄭に攻めて来ても、十分な兵力がいるから、そう簡単には落とせない」と進言しました。
その後に、秦軍は南陽に向かった事が判明しますが、洛亜完は第二将の博王谷がいるから、十万程度の敵なら撃退出来ると語っています。
秦の先鋒の李信は六万の軍勢を率いて、ゆっくりと昧平原まで進んでいるとする情報が入りました。
さらに、10万もの騰率いる秦軍が南陽に向かっている事が判明します。
ここで洛亜完は冷静に新鄭から五万の兵を出し、近隣の城から兵を集め10万の兵で南陽に向かい、博王谷の兵と合わせて韓軍17万で秦を迎え撃つ案を出しました。
これで秦軍16万と韓軍17万で戦うのが洛亜完のプランです。
しかし、張宰相が反対しました。
ここで秦軍が、さらに後方に10万の兵がおり南陽に向かっている事が判明します。
最後の10万は数だけを集めた老兵であり、騰や羌瘣の策だったわけです。
張宰相は冷静さを失くしますが、洛亜完は冷静に秦軍26万では南陽を救えないと語りました。
韓の王安王は南陽を切り捨てる決断を行い、城主の龍安には軍を全て新鄭に遷す様に命令しました。
南陽は無血開城する事になります。
英呈平原の戦いの始まり
洛亜完は博王谷と共に韓軍19万で秦軍16万を迎え撃つ事になります。
戦いが始まる前に洛亜完は韓の存亡を掛けた戦いだと告げ「親、妻、子ら愛する者達の命を貴様らの刃で守れ」と演説しました。
韓軍は洛亜完の演説により大いに士気を高める事になります。
洛亜完に続き博王谷も演説し、韓軍の士気は高まりました。
洛亜完は12万の兵で騰率いる10万の秦兵を相手をし、博王谷は7万の兵で6万の飛信隊を相手にする事になります。
李信と博王谷の戦いとなりますが、洛亜完の副官であるヨコヨコが、李信の軍に横やりを入れました。
飛信隊は厳しい戦いが続きますが、録嗚未はヨコヨコがいない今が攻め時と騰に伝令を送りました。
騰は全面攻撃を仕掛ける事になります。
洛亜完も本軍を繰り出し、英呈平原の戦いは全面戦争となりました。
騰は戦い続けた秦軍に対し、20年大戦を行っていない韓軍に経験値の差で勝てると判断しており、洛亜完は「才能が経験を凌駕する」と考えました。
洛亜完は自分の能力に、絶対の自信を持っているのが分かる言葉でもあります。
洛亜完は「雷進(らいしん)」に出撃命令を出しています。
隆国は洛亜完の采配を見て「手強い相手」と認めました。
録嗚未も翻弄される事になります。
敗戦
洛亜完は博王谷が討ち取られたのかが分かっておらず、直下兵団「月光」を繰り出し騰の首を取りに行きます。
月光が騰に襲い掛かりますが、騰は「敵として見事としか言いようがない」と、洛亜完の能力を認めました。
騰は洛亜完を天才と認めたわけです。
こうした中で死闘を制した干央が洛亜完の元まで辿り着きました。
洛亜完は武力で干央を退けますが「長期戦にするはずが短期戦になってしまっている」事に気付きます。
この後に洛亜完と騰の戦いとなりますが、過去に新鄭の酒の話をするなど、何処か馬が合う部分があるのでしょう。
騰は一騎打ちで洛亜完に押されますが、隙をついて録嗚未が襲い掛かるもヨコヨコが助けました。
ヨコヨコは博王谷が討ち取られた事を語り、洛亜完は撤退を決断しています。
洛亜完の目的は最後まで王都新鄭を守り抜く事であり、撤退を決断したわけです。
洛亜完は韓夏と韓伯に後退の陣に組み直す様に指示し、東砂平原で再度戦うと告げました。
ヨコヨコに殿を任せると、洛亜完は撤退しています。
しかし、東砂平原の戦いでも沛雲を失い敗れています。
洛亜完は秦軍を相手に連敗を喫しました。
洛亜完は新鄭に向かい退却していく事になります。
新鄭の無血開城
洛亜完の敗北により張宰相に対する不満が高まり、代わりに夏侯龍が支持される様になります。
夏侯龍は5歳以上の子供まで兵として従軍させる案を出し、韓は実行に移しました。
こうした中で王安王と寧姫は鐘を鳴らし、新鄭の無血開城を決断しています。
新鄭を包囲していた騰は軍に攻撃しない様に命じました。
張印は韓の民に降伏を告げ、騰率いる秦軍は東から入城する事になります。
洛亜完は反対側の西におり、状況が理解出来ていませんでした。
戦意を失っていない韓の将校らは洛亜完の元に行き、再び秦軍と戦い騰の首を取るように要求しています。
騰は東側から新鄭を占拠していきますが、西壁にいた洛亜完が兵を率いて現れました。
洛亜完の決意
洛亜完の軍は血気盛んな将校や兵士らが最前列に立ち、後方には子共の民兵がいました。
騰の軍とまともに戦えば、洛亜完の敗北は目に見えていたでしょう。
ここで寧姫が両軍に割って入り戦いを止めています。
しかし、寧姫の言葉は洛亜完の殺気立った将校らに届かず、騰の軍との最終決戦に入ろうとしました。
ここで洛亜完が突如として「待て」と叫び、兵士達に動かない様に命令しています。
洛亜完は兵士達に「立て直す」と述べ、秦軍には騰、録嗚未、隆国、干央がおり、戦っても勝ち目はないと語りました。
将校らは「投降するのか」と問い詰めますが、洛亜完は蘭城に撤退し立て直し新鄭を奪い返すと述べ、兵士達を説得しました。
洛亜完は韓王家の命令を無視して、最後の戦いを挑みたい者だけついてくる様に命じています。
城を後にしますが、騰は攻撃せず道を開け、蘭城に行くのを見守りました。
この時点で洛亜完は韓の再興は不可能だと考えており、韓の民の流血を減らすための手段を選んだ事になります。
洛亜完は韓の不満分子を城から出し流血を最小限に抑える事が狙いだったわけです。
寧姫は洛亜完の姿に涙を流しました。
洛亜完は城門を出ますが、ヨコヨコがおり「蘭城には自分が連れて行く」と述べますが、洛亜完は断り蘭城に向かう事になります。
その後の洛亜完
洛亜完は蘭城に入った事になっていますが、録嗚未が討伐に出た事を寧姫は侍女から知らされました。
蘭城に秦軍が迫ると、洛亜完は蘭城の外で戦い全滅したと寧姫は聞かされる事になります。
洛亜完の最後のシーンはありませんが、普通で考えれば、ここで死亡したという事なのでしょう。
しかし、最後のシーンが描かれなかったという事は、生きている可能性もある様に感じました。
それでも、洛亜完は韓の抗戦派と共に死を選ぶ決断をしている様に描かれた事から「実は生きていました」という展開にはならないと感じています。
洛亜完を死を聞いた多くの読者は「惜しい人を亡くした」と思ったのではないでしょうか。
洛亜完は英呈平原の戦いや東砂平原の戦いで敗れており、戦いに勝利した場面は最後まで描かれませんでした。
しかし、いつも冷静沈着な洛亜完を見て「かっこいい」と感じた人も多い様に思っています。