名前 | 龔景(きょうけい) |
登場 | 三国志演義 |
年表 | 184年 黄巾の乱 |
コメント | 三国志演義に登場する架空の人物 |
龔景は三国志演義に登場する架空の人物だと考えられています。
龔景は三国志演義の第一回に青洲太守として登場します。
陳寿が書いた正史三国志や、裴松之の注釈などに名前が龔景の名前は無く、後漢書や資治通鑑にも名前が見えません。
龔景は張角の黄巾の乱の時には、青州を包囲され劉焉の救援を願いました。
この時に劉備が龔景の救援に行きたいと述べ、劉焉は鄒靖と共に劉備の軍を援軍に派遣しています。
この後に、龔景は劉備と共に黄巾賊を撃退する功績を挙げています。
劉焉に救援要請
劉備は初陣で関羽と張飛の武勇も光り、程遠志や鄧茂が率いる五万の黄巾賊を蹴散らしました。
幽州刺史の劉焉は劉備らを労いますが、翌日に青州太守の龔景が劉焉に救援要請の手紙が届く事になります。
三国志演義では、このシーンを三国志演義では、次の様に描いています。
※完訳三国志1巻(岩波文庫) 19頁
青州太守の龔景から公文で、黄巾の賊に城を囲まれ、今にも落城しそうであるから、救援を願いたいと言ってきた。
この記述から龔景が青州太守で、黄巾賊に城を包囲され、危機的な状況に陥っている事が分かります。
劉備は龔景の援軍要請に対し「私が救援に向かいます」と述べ、劉焉は将軍の鄒靖に五千の兵をつけて龔景への援軍としました。
劉備は青州に向かう事となります。
賊軍を打ち破る
劉備が龔景の救援に来た事を知ると、黄巾賊は劉備達に備えました。
劉備は正面から戦っては勝てないと感じ、関羽と張飛に千の兵を預け伏兵としています。
劉備は鄒靖と共に正面から戦いますが、途中で退却の太鼓を鳴らし後退しました。
黄巾賊は勢いに乗って追撃しますが、ここで左右に伏せてあった関羽と張飛が現れ、劉備も兵を返して三方向から黄巾賊を攻撃しています。
劉備達は賊軍を破ると勢いに乗って、龔景がいる青州の城下まで来ました。
ここにおいて、龔景も民兵を率いて、黄巾賊打倒の為に打って出る事になります。
龔景はと劉備の軍は協力して、黄巾賊と戦い多いに破りました。
これにより青州の包囲は解かれたわけです。
龔景は劉備の援軍と共に、見事に戦ったと言うべきでしょう。
戦いが終わると、龔景は部下達に恩賞を与えた話があります。
龔景と劉備が会話したなどの描写は無く、龔景の人間性は不明です。
ただし、董卓が無位無官の劉備にしたような無礼な態度は無く、普通の人物として描かれています。
龔景への後詰めが成功し、鄒靖は劉焉の元に帰ろうとしますが、劉備は師匠である盧植の援軍に向かいたいと述べました。
盧植は広宗で張角の本体と戦っており、劉備は広宗を目指す事となり鄒靖と別れています。
尚、これ以降に龔景の名は登場せず、物語からはフェードアウトしました。
龔景がどの様な最後を迎えたのか?なども描かれてはいません。