名前 | 竭氏 |
読み方 | けつし |
別名 | 竭丞相 |
登場 | キングダム |
部下 | 肆氏、魏興、左磁、江など |
コメント | 権力欲が強く典型的な悪役 |
竭氏は原泰久先生が描く漫画キングダムに登場する架空のキャラです。
キングダムの竭氏は成蟜と結びつき権力を欲しいままにしようと企んだ人物です。
権力欲が非常に強く忠実な部下である肆氏を足蹴にした事もあります。
竭氏の性格などから典型的な悪役だと言えるでしょう。
キングダムの王都奪還編では成蟜に味方しますが、最後は山の民に討たれています。
成蟜と竭氏が接近
見るからに悪役
キングダムの竭氏は秦の左丞相という設定で物語に登場します。
秦の大臣の筆頭は呂不韋となっており、呂不韋のライバル勢力として登場するわけです。
成蟜は嬴政から秦王の座を奪いたいと考えており、竭氏に接近する事になります。
呂不韋が擁立したのが嬴政であり、成蟜は竭氏を味方にしようとしました。
成蟜はランカイを連れて竭氏の屋敷を訪ねますが、この時の成蟜は入浴中であり、少女たちに太った体を吸わせたりするなどしていたわけです。
この入浴シーンと太った体を見ただけで多くの読者が「悪役」だと判断した事でしょう。
さらに、「こんな夜更けに呂氏の犬っ子が儂に何の用か」とも述べており、秦の王族を敬う気持ちも皆無だという事が分かります。
竭氏は権力欲が強い
屋敷を訪れた成蟜に対し敬った態度で接しますが、成蟜は竭氏が「呂氏の犬」と詰っている事を知っていました。
竭氏に対し成蟜は膨大な金を使い呂不韋は荘襄王を秦王にしたと述べますが、竭氏は「荘襄王の即位はその徳がなせたところ」と心にもない様な事を告げています。
ここで成蟜はランカイを使い配下の敦を瞬殺し、凶暴性を見せつけました。
その上で成蟜は竭氏に「呂不韋が魏に遠征中であり、嬴政を守っているのが昌文君しかいない」と告げ、嬴政打倒を竭氏に持ちかけました。
嬴政を無事に亡き者にした後は竭氏に「この国を一人占めすればよい」と告げています。
この言葉に竭氏は動き成蟜の仲間に加わり、嬴政の命を狙う事になります。
「この国を一人占めすればよい」の言葉に心が動く辺りは、竭氏の権力欲の強さを物語っているのでしょう。
竭氏と王騎
竭氏は昌文君の命を狙い周囲の者達を怒鳴りつけ「王と昌文君を合流させてはならない」と述べました。
血管むき出しで怒鳴る辺りも悪役っぽく、多くの読者が「こいつは絶対に仲間にはならない」と感じたのではないでしょうか。
そこに王騎が現れると、途端に大人しくなる様な所も見せています。
竭氏は上の者には媚びるが、部下には威張り怒鳴りつける性格だと言う事も分かるはずです。
王騎は昌文君を討ったと述べており、竭氏の参謀の肆氏は王騎を警戒する発言をしますが、竭氏は自分の首を心配した方が良いとする発言をしました。
竭氏は寛容に欠ける性格で部下の諫言も聞かず、部下の失敗は許さない性格だという事が分かるはずです。
普通に考えれば、竭氏は「単なる嫌な上司」でしかないでしょう。
8万の兵で迎撃
山界の王である楊端和の軍勢3千と共に、嬴政らは秦の王都咸陽を目指す事になります。
その頃に、竭氏や肆氏は成蟜の元に侍っており、竭氏は「大王の首は、この丞相が命にかけてお約束いたしまする」とまで述べ、汗を搔きながらも自信を口にしました。
さらに、8万もの軍勢を集め魏の少梁を攻撃中の呂不韋の軍を迎撃する態勢をとりました。
嬴政が行方不明になった話を聞いた呂不韋が軍を咸陽に向けないか心配で、徴兵を行ったわけです。
竭氏らは嬴政らが接近しているとは思いもよりませんでした。
部下に厳しい
成蟜は8万の軍を見た時に満足そうでしたが、竭氏は8万の兵では呂不韋の軍と戦えないと判断し「全然足らぬではないか」と肆氏の顔面に裏拳を入れました。
肆氏は玉璽がなかった事を理由としますが、竭氏は容赦なく肆氏の頭を足で小突きました。
ここで竭氏は「買収でもおどしでもよい。今度の乱を静観している有力者の尻をたたいて回れ」と続けました。
竭氏は20万の呂氏の軍勢を殲滅する為に、もっと多くの兵を必要としたわけです。
この辺りは、竭氏の目的の為には「脅しでも何でも使って達成する」性格が非常によく出ていると感じています。
山の民を城内に入れる
ここで昌文君の策により、山の民が竭氏に味方すると伝えています。
竭氏は呂不韋を迎撃する為に、山の民の軍勢を欲しており、軍議を開きますが、秦の大臣の中には山の民を猿と呼び侮蔑する者もいました。
竭氏は成蟜に相談せず、開門し山の民を城内に引き入れました。
成蟜は激怒しますが「呂軍と山民族が戦う様を眺めるのも一興」と述べ、成蟜を納得させています。
これにより嬴政らは王宮の前まで辿り着く事になります。
竭氏の情報網
竭氏が山の民を味方として期待した理由ですが、私的な交易を行っており情報を入手していたからです。
当然ながら楊端和の事も知っており、山界の力が強くなっていると述べました。
竭氏は山の民を侮ってはおらず、むしろ呂不韋との戦いの前に貴重な戦力として期待したわけです。
しかし、山の民は昌文君の策略で動いており、竭氏は策に嵌ったと言えるでしょう。
朱亀の門
秦兵は武装解除を山の民に求めますが、山の民は応じませんでした。
それどころか武器を手に取り兵を斬り捨てています。
これを遠くで見ていた竭氏は「何の真似じゃ猿共ォォ」と激昂しました。
しかし、竭氏はいざという時の事も考えており、朱亀の門の守を固めていたわけです。
朱亀の門は城壁が高く堅固な守りであり、衝車か投石でしか破壊出来ないとされていました。
山の民も苦戦しますが、信が城壁を駆け上がり見事に突破する事になります。
竭氏の逃走
朱亀の門は開門し、山の民が雪崩込みますが、竭氏は車で逃走しました。
それを見た嬴政は「馬車を狙えぇ。奴が竭丞相だ」と告げました。
竭氏の馬車は追いつかれそうになりますが、配下の江を車から放り出し馬車を軽くして逃走したわけです。
河了貂は「あのオッサン最低だ」と述べました。
しかし、史記には漢の劉邦が項羽に敗れて逃走る時に、自分の子である劉盈と魯元公主を馬車から投げ捨て、夏侯嬰に諫められるシーンがあります。
こうした態度に司馬遷は何も言っておらず、竭氏の江を馬車から落とす行為は中国的には問題ないのかも知れません。
激戦
竭氏は山の民に追いつかれそうになり、命は風前の灯火になったかと思われましたが、肆氏が兵を率いて現れました。
この時ばかりは竭氏は肆氏を「でかしたぞ」と褒めています。
肆氏は山の民の中に嬴政がいる事まで見破っています。
ここで嬴政が囮となり、信や壁は山の民のバジオウやタジフ、シュンメンらと別動隊となり、右龍の回廊に向かいました。
右龍の回廊には竭氏の強力な部下である左慈が配置されていました。
正面では魏興の弩に対し楊端和が山の民に突撃を支持し、嬴政や昌文君も続き竭氏を焦らせています。
右龍の方では壁が戦闘不能となりますが、苦戦しながらも左慈を討ち本殿に突入しました。
本殿での敗北
竭氏は本殿にいる成蟜に報告に行き嬴政が山の民の中にいると述べています。
これを聞いた秦の大臣たちは言葉を失いますが、竭氏は「うろたえるな!奴らは本殿まで来ることはない」と一喝しています。
竭氏は包囲殲滅し嬴政らを倒そうとしますが、成蟜は笑い出し嬴政との決着をつけようとしました。
ここで一早く信ら別動隊が成蟜や竭氏の所まで辿り着く事になります。
ランカイとの戦闘になり苦戦しますが、山の民のバジオウ、タジフ、シュンメンらの奮戦によりランカイは苦しくなっていき、信が戦闘不能に追い込みました。
切り札のランカイが敗れた事で、成蟜や竭氏も戦意喪失しました。
竭氏の執念
竭氏は敗北を悟ると「なぜ。こうなった」と自分に問いました。
竭氏の頭の中では嬴政の勝因を分析し始めたわけです。
ここで竭氏が中級大臣より始り、丞相にまで登りつめた事が明かされます。
竭氏は呂不韋を殺害し、秦を独占しようとする夢が消える事を悟りました。
しかし、竭氏は諦めきれず「ふざけるな!!」と叫ぶと、大臣達を押しのけて門から出ようとしました。
竭氏の最後
竭氏は逃げようとしますが、壁は「竭氏を逃がすな」と叫びました。
軍の大将は竭氏であり、竭氏の首を取らねば戦いは終わらないと壁は判断したわけです。
竭氏の方でも外にいる八万の兵を使い反撃に出ようとしました。
竭氏は凄まじい程の執念を見せて右龍から逃亡しようとしますが、待ち構えていた河了貂の吹き矢を目にくらう事になります。
これにより竭氏は壁に当たり山の民のシュンメンらに斬られて最後を迎えました。
竭氏は「儂は大秦国竭丞相ぞォ!!」と最後の言葉を発し、世を去りました。
最後の言葉は断末魔の叫びでもあったのでしょう。
竭氏の首は銅から切り落とされ、床に転がる事になります。
外では肆氏がまだ戦っていましたが、竭氏の首を見て戦意喪失しました。
尚、竭氏の勢力は肆氏が引き継ぐ事になり許されています。