エジプト中王国 古代エジプト

エジプト第14王朝は分からない事だらけの王朝

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宮下悠史

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名前エジプト第14王朝
時代エジプト中王国or第二中間期
コメント不明な点が多い

エジプト第14王朝では多くのファラオが即位した事になっています。

しかし、これらの記述が本当なのかも不明であり、エジプト第13王朝からの混乱が続いていたのでしょう。

エジプト第14王朝に関しては、分かっている事が圧倒的に少ないです。

それでも、エジプト第15王朝は異民族であるヒクソスの王朝であり、ナイルデルタではヒクソス政権が誕生する土壌が育っていたのではないでしょうか。

実際に第14王朝の後期にはアヴァリスが栄えていた事が、ネヘシの碑文により明らかになっています。

エジプト第14王朝の崩壊により、エジプト文明では初の異民族王朝が誕生しました。

大量のファラオ

エジプト第14王朝について、分かっている事はほとんどありません。

マネトの『エジプト史』には、エジプト第14王朝はクソイスを首都として76人の王が統治したと記載されています。

一方でトリノ王名表のパピルスには、第14王朝は56人の王が統治していたと記載されています。

いずれにしても、これほど王の数が多かったということは、かなりの混乱の時代だったのではないかと考えられます。

第14王朝の首都は後にヒクソス王朝が首都としたアヴァリスだったと言われることがありますが、真実については分かっていません。

第14王朝が他の王朝と異なる点として、王にセム語系やアムル人、ヌビア人の名の者が存在していたという点が挙げられます。

セム語系やアムル人は西アジアの出身であるのに対し、ヌビア人はエジプト南方の民族です。

地理的にも文化的にも大きく異なる集団が同じ王朝に混在している理由は明確には分かっていません。

エジプト第14王朝のファラオは、在位年数が圧倒的に短かったとされています。

第14王朝の王として考えられてきた人物の中には、第15王朝後半のデルタ地帯の地方豪族が存在するという説もあります。

エジプトの研究者キム・レホルトは、第14王朝の支配領域は下エジプトのデルタ地帯に限られ、西はアトリビス、東はブバスティスまでに過ぎなかったと主張しています。

この説を採るなら、第14王朝はごく狭い地域だけを支配した、名目上の王朝に近い存在だったといえます。

さらにレホルトは、第14王朝の成立は第12王朝末期にまで遡るとしており、早い段階でデルタ地方に独自の政権が生まれていた可能性を指摘しています。

しかし、多くの研究者は第13王朝のセベクヘテブ4世の治世で勃興したと考えているようです。

エジプト第14王朝に関しては、資料で扱われている場合が非常に少なく、残念ながらその実態の大半は謎に包まれたままとなっています。

これで、エジプト中王国時代は終わりになります。

こののちに、エジプトはヒクソスの時代に入ります。

ヒクソスの時代に突入

エジプト史というと、長いあいだエジプト人自身が王権を維持してきたイメージが強いですが、ヒクソスの時代になると、外部からの勢力が初めてファラオとしてエジプトを支配することになります。

厳密には、第14王朝も外国系の勢力によって構成されていた可能性があるものの、明確に「外の支配者がエジプト王となった」と確認できるのはヒクソスが最初であるとされています。

メソポタミアでは支配民族が次々と入れ替わったのに対し、古代エジプトは地政学的な条件に恵まれ、長い間エジプト人自身による統治が続きました。

後の時代にはローマ帝国やイスラーム勢力に征服されるものの、古代エジプトの王朝時代に限定してみると、外部勢力による支配はほとんど見られません。

ヒクソスについては、マネトの記述では「外国から攻めてきた侵略者」「神の一撃」とされていますが、現在の研究では、急襲というよりも緩やかな浸透・定住の結果として権力を握ったと考えられています。

エジプト第15王朝はヒクソス王朝とも呼ばれており、ナイルデルタはヒクソスの手に落ちました。

ただし、ヒクソスの時代がエジプト文明の中で悪という訳でもなく、戦車、馬、ハープなどがエジプトに伝わる事になります。

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