蘇由は正史三国志や三国志演義に登場する人物であり、袁尚から審配と共に鄴の守備を任されています。
袁譚は袁尚との戦いで不利になると、郭図の進言で曹操に鄴へ進軍する様に要請しました。
曹操は鄴に向かいますが、このタイミングで蘇由は曹操に内通する事となります。
しかし、蘇由の内通は露見してしまい、審配との市街戦に敗れ、曹操の元に逃亡しました。
これ以降に蘇由の記録は途切れており、どの様な最後を迎えたのか？なども不明です。
三国志演義だと鄴の最終決戦には登場せず、それよりも前に、曹操が袁譚を攻撃した時に、袁尚が鄴を審配と蘇由に守らせた記述があるだけとなります。
尚、上記はコーエーテクモゲームスの三国志の蘇由の画像ですが、豪快に走っている姿が描かれています。
走っている蘇由の姿を見るに、審配との戦いに敗れ曹操の陣まで逃走した時の姿を描いたのでしょう。
鄴の守備
正史三国志によると、蘇由は袁尚の配下として、審配と共に鄴の守備を任された記述があります。
袁紹の死後に長子の袁譚と三男の袁尚が後継者争いを繰り広げますが、袁紹の旧臣派や冀州出身者の多くが袁尚を支持する事になります。
それを考えると、蘇由は逢紀の様に古くから袁紹に仕え、董卓と袁紹が反目した時に袁紹に従い出奔した者か、袁紹が韓馥から冀州を譲り受けた時に配下に加わった者かの、どちらかの可能性が高い様に感じました。
それでも、蘇由は袁尚派に属し、鄴の守備を審配と共に任された事だけは確かなのでしょう。
鄴の守備を任される辺りは、袁尚からの信頼も厚かったのかも知れません。
袁尚は袁譚を攻撃する為に平原に出陣し、本拠地の鄴を審配と蘇由に任せました。
曹操に内応
袁尚が袁譚を討ちに出陣すると、曹操は鄴に向かって出陣しました。
ここで正史三国志の袁紹伝に次の記述が存在します。
※正史三国志 袁紹伝より
曹操は鄴から５０里の地点である洹水に到達した。
蘇由は内応しようとしたが、計画が露見してしまい、審配と市街戦を行ったが戦いに敗れ、太祖（曹操）の元に逃亡した。
上記の記述から、蘇由は早い段階から袁尚に見切りをつけており、早々と曹操に寝返ってしまった事が分かります。
当時の袁家では袁譚と袁尚の後継者争いに嫌気が指し、厭戦気分も広がっていたのかも知れません。
実際に曹操配下の郭嘉も言っている様に、袁譚と袁尚は共通の敵である曹操が攻めて来れば協力しますがが、外敵がいなくなれば共に争う状態でした。
こうした状態に蘇由は嫌気がさし、早々と曹操に降った様にも感じています。
後に曹操が鄴の城下にまで達した時には、審配配下の馮礼が寝返る事になります。
蘇由は曹操に寝返った時に鄴の城内の事をリークしたはずであり、馮礼の寝返りとも関係しているのかも知れません。
尚、蘇由の記録はここで途切れており、どの様な最後を迎えたのかも分かっていません。
