古代日本 日本神話

天児屋命(アメノコヤネノミコト)は祝詞を読んだ重要な神様

2024年1月3日

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宮下悠史

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名前天児屋命
読み方アメノコヤネノミコト
時代日本神話
登場古事記、日本書紀など
神格出世の神、祝詞の神、言霊の神
コメント藤原氏の祖でもある

天児屋命は日本書記や古事記に登場する神です。

天児屋命の子孫が中臣氏や藤原氏であり、系図で考えれば、重要な神様だと言えます。

天照大神天岩戸に隠れてしまった時には、祝詞を読み上げた神様でもあります。

天児屋命は瓊瓊杵尊天孫降臨では付き従い地上に舞い降りました。

天児屋命の活躍を見ると、アメノウズメや思金神などに比べると地味な様に思うかも知れません。

しかし、日本史を考える上で、天児屋命はかなり重要な神であり、平安時代に子孫の藤原氏が如何に栄えようとも皇位簒奪を考えなかったのは、天児屋命と関係があるともされています。

今回は天岩戸事件の時に、祝詞を読んだ天児屋命を解説します。

尚、天児屋命と布刀玉命はセットになって登場する事が多い神だとも言えるでしょう。

祝詞を読みあげる

天照大神スサノオの狼藉に心を痛め天岩戸に籠ってしまいました。

天照大神が天岩戸に籠ると世界は闇に包まれ恐ろしき事態となります。

こうした中で神々は天安河原に集まり思金神を中心に、天照大神を外に出す為の対策を練りました。

結果として、天児屋命は布刀玉命と共に占いをし祭りの準備をする事になります。

神々は天岩戸の前でお祭りをしアメノウズメが躍るなど場を盛り上げました。

この時に天岩戸の前で祝詞を読んだのが、天児屋命となります。

一つの説としては、神々が天岩戸の前で盛り上がる中で、天児屋命は延々と祝詞を読んでいた説もあります。

外の様子が気になった天照大神は天岩戸を少し開けますが、アメノウズメが「貴方よりも尊い神が現れた」と天照大神に告げました。

天照大神は驚きますが、この時に天児屋命と布刀玉命が天照大神の前に鏡を出しました。

天照大神は天児屋命と布刀玉命が出した鏡で自分の顔を見ると驚きますが、この時に力の神であるアメノタヂカラオノミコトが天岩戸を投げ飛ばしました。

これにより天照大神は外に出る事となり、世界に再び光が戻ったわけです。

天児屋命は天岩戸で地味ながらも見せ場があった事になります。

地上に降り立つ

天照大神高御産巣日神らは建御雷神を派遣し出雲の大国主から国譲りを受諾させました。

天照大神は孫の瓊瓊杵尊に三種の神器を持たせ、地上を治める様に命じています。

これが天孫降臨であり、天児屋命も同行する事になります。

天孫降臨が行われる前に、天照大神は天児屋命と布刀玉命に「お前たち二神は共に建物の中に入りお守りの役をせよ」と命じました。

天孫降臨が行われると、天の八衢で猿田彦が仲間に加わる事になります。

天児屋命は瓊瓊杵尊と共に無事に高千穂に舞い降りますが、これが天児屋命の最後のシーンであり、日向三代からは一切登場しなくなります。

藤原氏が皇位簒奪を行わなかった理由

天児屋命の子孫が中臣鎌足であり、中臣鎌足は天智天皇の側近となり大化の改新などで大活躍しました。

平安時代には藤原氏となり藤原道長に代表される様な、政界の実力者となります。

しかし、幾ら藤原氏が権勢を極めても皇位簒奪をしようとはしませんでした。

藤原氏が皇位簒奪を行わなかったのは、天児屋命と関係があるとする説があります。

天児屋命を見ると天岩戸の前で祝詞を読んだくらいであり、天照大神の一族という訳ではありません。

天児屋命は天照大神の親戚でもなく、家来でしかないわけです。

つまり、藤原氏は神話の時代から皇室の家来でしかなく、皇位簒奪など考える余地は無かったとする説があります。

足利義満や道鏡などに皇位簒奪の話が出て来るのに、藤原氏に関しては、どんなに栄華を極めようとも、皇位簒奪の話が出てこないのは、天児屋命と関係があるとする説があるという事です。

尚、藤原氏が大出世を果たした事で、天児屋命は「出世の神」としても祀られました。

天児屋命が祀られている神社

名前住所電話番号
春日大社奈良県奈良市春日野町1600742-22-7788
札比内神社北海道樺戸郡月形町新宮札比内0126-53-2872
居木神社東京都品川区大崎3丁目8−2003-3491-7490
天児屋根命神社大阪府箕面市瀬川1丁目22−20072-722-1207
姥神大神宮北海道檜山郡江差町姥神町98−99番地0139-52-1900
富岡八幡宮東京都江東区富岡1丁目20−303-3642-1315
大原野神社京都府京都市西京区大原野南春日町1152075-331-0014
枚岡神社大阪府東大阪市出雲井町7−16072-981-4177
釣石神社宮城県石巻市北上町十三浜菖蒲田3050225-25-6345
小岩神社東京都江戸川区東小岩6丁目15−1503-3657-6168

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