古代日本 日本神話

スサノオ(素戔男尊、素戔嗚尊)は愛すべき暴れん坊

2022年2月27日

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名前スサノオ(素戔男尊、素戔嗚尊)、建速須佐之男命
別名須佐乃袁尊、神須佐能袁命、須佐能乎命、牛頭天王
神格暴風雨神、海の神、農業神、防災除疫の神、歌人の神
時代神代
登場古事記、日本書紀、出雲風土記など
御利益厄除け、水難、五穀豊穣、縁結び、開運など
父:イザナギ 母イザナミ??
配偶者クシナダヒメ、神大市比売
八島士奴美神、大年神、ウカノミタマ、スセリビメなど
コメント愛すべき暴れん坊

スサノオは日本神話に登場し、イザナギが鼻を洗った時に生まれた神です。

スサノオは最初は泣き虫の乱暴者でしたが、出雲で八岐大蛇を退治した事で英雄となりました。

ただし、後に根の堅州国に移り、子孫の大国主に数々の試練??を与えた人物でもあります。

スサノオは三国志の張飛の様な乱暴者ではありますが、純粋な心を持った神だとも感じました。

尚、スサノオは神仏習合の中では、牛頭天王と同一視された話があります。

スサノオと牛頭天王が同一視されたのは、同じく荒神だったからだとする説があります。

今回は古事記や日本書紀に登場し、乱暴者から英雄となったスサノオを解説します。

スサノオの誕生

スサノオはイザナギが黄泉の国から帰還し、清流で禊を行うと様々な神々が誕生する事になります。

イザナギは禊の最後に、左目を洗うと天照大神が誕生し、右目を洗うと月読命が誕生しました。

そして、最後にイザナギが鼻を洗うと、スサノオが誕生したわけです。

スサノオは暴れん坊であり、「鼻息が荒い」という言葉に、相応しい神とも言えるでしょう。

イザナギの禊の最後に誕生した天照大神、月読命、スサノオは強力な力を持った神であり、三貴士と呼ばれる事になります。

イザナギは高天原を天照大神に任せる事にし、自らの首飾りを与えました。

天照大神がイザナギから受け取った首飾りが御倉板挙之神です。

そして、月読命には夜の国を任せ、スサノオには海原を任せます。

天照大神と月読命は任地に向かい任務を行いますが、スサノオだけは命令に従いませんでした。

スサノオの追放

スサノオは海原に行かず、一人で泣き叫んだわけです。

スサノオは強力な力を持った神であり、古事記には次の記述が存在します。

青々とした山は涙に水分を取られ、枯れた山になってしまい、河や海の水も涙で干上がってしまった。

物という物が妖気を発した。

この記述から、スサノオが泣き喚いた事で世界が混乱した事が分かるはずです。

イザナギはこうした状況を見かねて、スサノオに「なぜ泣いているのか?」と訪ねると、次の様な答えが返ってきました。

スサノオ「私はここを去り、根の堅州国にいる母上に逢いたいと思い泣いているのです」

しかし、イザナギはスサノオの言葉に激怒し、「お前はこの国に住んではならぬ」と述べ、スサノオを追放したわけです。

イザナギは黄泉の国では、イザナミや黄泉醜女、黄泉の国の軍隊に追い回された事があり、力ずくで黙らせたのでしょう。

因みに、スサノオは母親に逢いたいと述べましたが、スサノオはイザナギが禊をした時に、鼻から生まれた神であり、正確に言えば母親はいないはずです。

しかし、スサノオは「母親に逢いたい」と述べたのには矛盾が生じます。

多くの専門家はスサノオの言う「母親」は、イザナミを指すのではないか?と考えています。

スサノオの口から出た根の堅州国は、黄泉の国を指すとも考えられるからです。

ただし、黄泉の国と根の堅州国は、入り口は黄泉比良坂で同じですが、別の場所を指すという説もあります。

尚、スサノオの父とも呼べるイザナギは、スサノオを追放した後に、多賀に引退し物語には登場しなくなります。

イザナギが引退すると、日本神話は天照大神とスサノオを中心に、物語が進んで行く事になるわけです。

高天原で暴れる

高天原を目指す

イザナギに追放されたスサノオは、次の様に述べています。

スサノオ「この様な事になってしまった以上は、天照大神に事情を説明した上で、根の堅州国を目指す事にしよう。」

スサノオは天照大神がいる高天原を目指したわけです。

スサノオはここでも強力なパワーを発揮し、山川が動き国土が震撼した話があります。

天照大神はスサノオがよからぬ事を企んでいると思ったのか、武装してスサノオを待ち受けました。

天照大神との誓約

スサノオは高天原に到着すると、国を奪う野心があるわけではないと釈明しました。

しかし、天照大神が信用しなかった事で、スサノオは身の潔白を証明する為に「誓約」の提案をしたわけです。

天照大神が誓約を受けた事で、スサノオと天照大神は誓約対決をする事になります。

古事記だと誓約の勝利の条件を決めておらず、日本書紀では男神が生まれたから勝ちとするルールが制定されています。

天照大神とスサノオの誓約は古事記と日本書紀で、記録に差異が出ている状態です。

スサノオと天照大神の誓約では、スサノオの十拳の剣から宗像三女神と呼ばれる三柱の女神が誕生し、天照大神の八尺の勾玉からは男神が五柱誕生しました。

スサノオの十拳の剣から生まれた宗像三女神はスサノオの娘となり、天照大神の八尺の勾玉から生まれた五柱の男神は、天照大神の子となります。

下記が誓約で生まれた神々ですが、古事記と日本書紀で若干の差異があり、古事記にある宗像三女神と五柱の男神を表にしてあります。

尚、天照大神とスサノオの誓約で誕生した神々は『五男三女神』とも呼ばれています。

宗像三女神

タキリビメイチキシマヒメタギツヒメ

五柱の男神

アメノオシホミミアメノホヒアマツヒコネイクツヒコネクマノクスビ

尚、五柱の男神の中で、最初に生まれたアメノオシホミミが天照大神の長子となり、天皇家の祖先に繋がっていきます。

アメノオシホミミの子が、天孫降臨で有名な瓊瓊杵尊です。

誓約の結果ですが、古事記ではスサノオが「自分の心が正しかったから清らかな女神が生まれたのだ」と主張した話があります。

天照大神もスサノオを疑った負い目があったのか、スサノオに勝ちを譲る形となり、スサノオは高天原の残る事になりました。

スサノオの狼藉

スサノオは誓約が上手く行った事で、調子に乗ったのか、高天原で狼藉を行う様になります。

天照大神の田を破壊したり、神聖なる宮殿で大便をまき散らすなど、やりたい放題でした。

神々はスサノオの行為を問題視し、天照大神に苦情を述べますが、天照大神は弟で身内とも言えるスサノオを庇ったわけです。

しかし、スサノオの狼藉はエスカレートし、機織女が亡くなる事件まで発展してしまいます。

機織女が亡くなった事のショックが大きかったのか、天照大神は天岩戸に引き籠ってしまいました。

高天原を追放される

天照大神が天岩戸に籠った事で、世界から太陽が失われ魑魅魍魎の輩が動き出すなど、世界は大混乱に陥ります。

しかし、神々は知恵の神である思金神を中心に団結し、三種の神器のうちの八尺瓊勾玉と八咫鏡を造り出し、お祭りを始めました。

芸能の神アメノウズメが踊り盛り上がった所で、天照大神が天岩戸から覗き出すと、力の神である天手力男神が天照大神を強引に外に出したわけです。

天照大神が地上から出ると、神々はスサノオの罪が重いと判断し、スサノオは高天原を追放されてしまいました。

この時に、スサノオは髭や手足の爪を切られた話があり、拷問を受けた上で島流しにされたのではないか?とする説も存在します。

髭を切るなどは、儒教などではかなり重い罪に該当するなどもあり、スサノオは高天原から地上に舞い降りる事になりました。

オオゲツヒメを斬る

古事記によれば、スサノオは高天原を追放され、下界に行くとオオゲツヒメに食料を求めています。

オオゲツヒメは快く、スサノオに食料を提供しました。

しかし、スサノオはオオゲツヒメが鼻や尻などの体の穴から食べ物を出し、自分に食べさせていた事を知ってしまいます。

怒ったスサノオは、オオゲツヒメを斬り捨ててしまったわけです。

オオゲツヒメの体から湧き出た食物の種を、造化三神の神産巣日神が回収したとする話があります。

ただし、別説としてはオオゲツヒメの体から生まれた種を、スサノオが持って行ったとする説もあります。

余談ですが、日本書紀では同じく三貴士の月読命が、食べ物の神である保食神を斬り捨てた話が掲載されています。

それ故に、元の話はスサノオではなく、食料の神を斬ったのは、月読命の話だったのではないか?とする説もある様です。

月読命の逸話は、保食神を斬った事位しかなく、元の話は天照大神とスサノオだけであり、月読命はいなかったのではないか?とも考えられています。

三貴士の「三」は奇数が縁起がよい数字だとする中国の考えを、日本神話に無理やり取り入れた事で出来たとする専門家もいます。

新羅の国に舞い降りる

古事記にはない話ですが、日本書紀では高天原を追放されたスサノオは、新羅に舞い降り、次の様に述べた話があります。

「新羅に来てみたが、儂はここに長くいようとは思わぬ」

スサノオは出雲に向かう事になりました。

尚、日本書紀によればスサノオはイソタケルなる子と共に、新羅に舞い降りた話があります。

イソタケルを考慮すれば、スサノオは高天原で天照大神との誓約以外でも、子を作った事になるはずです。

因みに、イソタケルはオオヤビコの同一人物説もあります。

話を戻しますが、スサノオは新羅に行った話があり、スサノオが海外からの渡来人だったとする説もあります。

しかし、日本書紀の記述を読むと、高天原を追放されて新羅に行ったが、再び日本に戻ったとも読み取る事が出来るはずです。

高天原の位置は分かってはいませんが「スサノオは朝鮮に行ったかも知れないが、また日本に戻った」と考えた方がしっくりと来るように思いました。

八岐大蛇を退治

老夫婦

古事記の話に戻りますが、スサノオは高天原を追放された後に、出雲の鳥髪に舞い降りた話があります。

この時に、スサノオが川を眺めていると、箸が流れてきました。

スサノオは上流に行けば人がいると考え、川上に向かって進んだわけです。

スサノオは川上に進むと、民家を見つけ中に入ると、足名椎命手名椎命の老夫婦が泣いていました。

スサノオは老夫婦に泣いている理由を問うと、娘のクシナダヒメが高志国からやってくる八岐大蛇に食べられてしまうと述べます。

スサノオはクシナダヒメを見るや一目惚れしてしまい、八岐大蛇を退治する代わりに、「クシナダヒメを嫁にくれ」と申しました。

足名椎命、手名椎命は、スサノオが天津神・天照大神の弟である事を知ると、快く了承しています。

スサノオの策

スサノオは足名椎命と手名椎命に、何度も醸造した強い酒と8つの門を造る様に命じました。

スサノオはクシナダヒメを櫛に変えると自ら装着し、八岐大蛇を待ち構えたわけです。

八岐大蛇がやってくると、八岐大蛇は8つの首をそれぞれの門に頭を突っ込み、酒を飲み始めました。

酒の度数が強かった事で、八岐大蛇は泥酔してしまい、ここでスサノオは寝ている八岐大蛇の首を、持っていた十拳の剣で斬り落としています。

スサノオは八岐大蛇の首だけではなく、胴体もバラバラに切り刻みますが、尾を切った時に十拳の剣が壊れてしまいました。

スサノオが八岐大蛇の尾を見ると、そこから剣が出て来たわけです。

スサノオは見事な剣だと感じたのか、天照大神に剣を献上しました。

八岐大蛇の体内から手に入れた剣が、後に草薙剣と呼ばれる様になり、三種の神器の一つとなっています。

尚、八岐大蛇の正体は化け物ではなく、出雲の8つの部族だった説や、斐伊川の氾濫だったとする説もあります。

八岐大蛇に関しては、八岐大蛇の記事でまとめました。

草薙剣を天照大神に献上した理由

先に述べた様に、スサノオは草薙剣を手に入れると、天照大神に献上しています。

YouTubeのアンケート機能を使い、スサノオが草薙剣を天照大神に献上した理由を調査してみました。

質問

スサノオは八岐大蛇を倒した時に、剣(後の草薙剣)を見つけています。

スサノオが天照大神に剣を献上した理由は?

回答

不気味な剣だったから・・・6%

八岐大蛇を退治して気分がよかった・・・13%

天照大神にお世話になったから・・・28%

ドヤリたかった・・・53%

上記を見ると、半分くらいの方がスサノオはドやりたくて、草薙剣を天照大神に献上したと考えた事になるでしょう。

スサノオの性格を考えると、ドヤリたかったが一番しっくりと来るのかも知れません。

クシナダヒメと結婚

須賀

八岐大蛇を倒したスサノオは、クシナダヒメと暮らす為の住居を建てる場所を探しました。

スサノオ川上の緑が多い自然豊かな地域を見つけると、次の様に述べています。

「これほど、清々しい気分になったのは初めてだ」

スサノオは、この地を須賀と名付けたわけです。

尚、スサノオが清々しい気分に因んで「須賀」と名付けたのは、日本で最初のダジャレとも言われています。

日本で最初の和歌を詠む

スサノオは気分が良くなったのか、和歌を詠む事にしました。

八雲立つ 出雲八重垣

妻籠みに 八重垣作る

スサノオの読んだ和歌が、日本で最初の和歌とも呼ばれています。

和歌の意味は、様々な訳し方がされますが、代表的な訳し方は下記の通りです。

沸き起こった雲が八重垣を造ってくれた。

その八重垣は妻を籠らせる素晴らしい八重垣だ

乱暴者だったスサノオですが、八岐大蛇を退治し和歌を詠むようになった時には、粋な男に変わったとも言えるでしょう。

嫌われ者で蔑まされていたスサノオが人に喜ばれる行いをし、心の曇りが取れた歌だったのかも知れません。

尚、スサノオの和歌に「雲」という言葉が出て来ますが、これが出雲の地名と関係しているとも考えられています。

出雲王朝を創設

世襲王朝の誕生

スサノオは須賀に宮殿を建てると、クシナダヒメの父母である足名椎命、手名椎命を呼び寄せました。

スサノオは足名椎命に「稲田宮主須賀之八耳神」の名を与え宮殿の宮司に任命しています。

尚、スサノオとクシナダヒメの間には八島士奴美神が生まれました。

スサノオの後継者には、八島士奴美神がなり、これが日本で最初の世襲制の王朝とも考えられています。

これが真実なら、スサノオは日本で最初に出来た世襲王朝である、出雲王朝の創始者となるのでしょう。

古事記は成長の物語だとも呼ばれていますが、スサノオは乱暴者から英雄に成長したわけです。

スサノオの子孫

スサノオの妻はクシナダヒメだけではなく、神大市比売もいます。

神大市比売は大年神とウカノミタをの生んだ事で有名です。

ウカノミタマは『お稲荷さん』として全国で親しまれている女神でもあります。

スサノオから六代目の子孫として、大国主が現れますが、それまでは系譜位しか分かっておらず、不明な部分が極めて多いとも言えるでしょう。

根の堅州国に行く

スサノオはクシナダヒメと結婚した時点で、一旦は日本神話から消え古事記では、大国主の話に入ります。

後述しますが、後にスサノオが登場する時は、根の堅州国にいる事になっています。

古事記では、何故スサノオが根の堅州国にいたのか?の記述がありません。

しかし、先に述べた様にスサノオは過去に「根の堅州国にいる母親に逢いたい」と述べて泣いていた事がありました。

それを考えると、スサノオは自分の母親に逢いに、根の堅州国に行った様に思います。

ただし、スサノオは狼藉を働き高天原を追放された過去があります。

過去に追放された事を考えると、何かしらの理由で出雲の国も追放されてしまい、仕方なくスサノオは出雲の国に向かった可能性もあるでしょう。

因みに、スサノオは根の堅州国では、スセリビメなる娘がいますが、母親が誰なのかはっきりとしません。

尚、ユーチューブのチャンネルで、スサノオが根の堅州国にいた理由のアンケートを取ってみました。

質問

スサノオは八岐大蛇を退治し出雲を治めますが、次に登場した時には、根の堅州国(黄泉の国)の住人となっていました。

スサノオは何故、黄泉の国にいたと思いますか?

何かしらの原因で亡くなったから・・・19%

母親であるイザナミに逢いに行った・・・41%

地上では刺激がなくなり黄泉の国に行った・・・8%

クシナダヒメと喧嘩して黄泉の国に移った・・・4%

地上も追放され、高天原に帰る事も出来ず、黄泉の国に移った。・・・26%

上記の結果を見るに、多くの方がスサノオが根の堅州国に移った理由は、イザナミに逢いたかったからだと考えている事が分かります。

ただし、根の堅州国でスサノオが、イザナミに逢ったという逸話は伝わってはいません。

スサノオが最後に地上を離れ根の堅州国に行ったのは、古事記の謎の一つだと言えます。

大国主に試練を与える

オオナムジが頼ってくる

スサノオの六代後の子孫であるオオナムジは、兄である八十神らから迫害を受けていました。

しかし、オオナムジは因幡の白兎を助け、ヤガミヒメに選ばれるなどもあり、八十神の恨みは頂点に達します。

八十神らはオオナムジを殺害し、オオナムジの母親であるサシクニワカヒメが、造化三神の神産巣日神に泣きつくなどの事態にも発展しています。

神産巣日神はキサガイヒメ・ウムギヒメを地上に派遣し大国主は復活しました。

しかし、八十神の迫害が止まらずオオナムジは再び殺害されてしまいますが、サシクニワカヒメが再度生き返えらせています。

サシクニワカヒメはオオナムジをオオヤビコの元に逃がし、オオヤビコは「根の堅州国にいる大神スサノオを頼る様に」と述べています。

これにより、オオナムジはスサノオがいる根の堅州国を目指す事になります。

古事記などの記述では、なぜオオヤビコがスサノオを知っていたのか?の記述がありません。

しかし、先にも述べた様にオオヤビコとイソタケルの同一人物説があり、同一人物であれば、スサノオの息子であるオオヤビコがスサノオの事を知っていても不思議ではないと考えられます。

頑固おやじに変わる

オオナムジが根の堅州国を訪れると、スサノオの娘であるスセリビメが対応してくれました。

しかし、オオナムジとスサノオは出会った瞬間に恋に落ちてしまい、男女の関係になってしまいます。

スセリビメはスサノオに「凄い神がやって来た」と述べますが、スサノオはオオナムジを「葦原醜男や葦原色許男神」などと呼んだ話があります。

スサノオは娘のスセリビメとオオナムジが、男女の関係になった事を喜ばず、敵視したのでしょう。

ここでのスサノオは「娘はお前にはやらん」と言わんばかりの、頑固おやじになっていた様にも感じました。

英雄になったと言えど、年を取ると頑固になる事の表れなのかも知れません。

オオナムジに試練を与える

スサノオはオオナムジを、蛇やムカデの部屋に寝かすなど、試練を与えました。

しかし、スセリビメがオオナムジを助けた事で、オオナムジは見事に切り抜けています。

スサノオはオオナムジを野原に連れて行き、鏑矢を取ってくる様に命じ、野原に火を点けました。

野原は一面が火事となり大惨事になりますが、オオナムジは鼠に助けられ危機から脱出しています。

頭の虱を取らせる

スサノオはオオナムジに命じ、頭の虱を取らせました。

しかし、スサノオの頭には虱だけではなくムカデまでいたわけです。

ここでもスセリビメがオオナムジを助けた事で、気持ちよくなったスサノオは寝てしまいました。

オオナムジはスサノオの元にいたら、殺されてしまうと考えたのか、地上への脱出を図る事になります。

オオナムジは眠っているスサノオの髪を椽に縛り付け、500人力で引ける大岩で戸口を塞ぎます。

さらに、オオナムジはスサノオの生太刀、生弓矢を持ち出し、スセリビメを背負い脱出を図りました。

スサノオは目を覚ますと、オオナムジがいない事に気が付き、慌てて追いかけたわけです。

オオナムジを激励

スサノオは黄泉比良坂まで行きますが、オオナムジとスセリビメに追いつけないと判断します。

すると、スサノオはオオナムジに向かって、次の様に叫びました。

スサノオ「おい!そこの色男。儂の言う事を聞けい。

お前が持ち出した神器である剣と弓矢で、お前の命を狙っている兄弟たちを

坂下に追い詰め、河の深みに追い払ってやれ。

お前は大国主と名乗り、この世の国土を守る神となり、

スセリビメを正妻とし、天高くそびえる立派な宮殿を建てよ。

俺の言った事は絶対に守れよ。

こんちくしょーめ!」

スサノオはオオナムジに大国主と名乗る様に命じ、大国主にエールを送ったわけです。

大国主にエールを送るスサノオには、爽やかさや器の広さを感じます。

スサノオが大国主にエールを送ったのが、日本神話におけるスサノオの最後のシーンであり名場面となっています。

オオナムジは大国主を名乗ると、八十神らを倒しスセリビメを正妻としました。

大国主はヤガミヒメ、ヌナカワヒメなどとも結婚しますが、スサノオの言葉を守り、大国主の正妻はスセリビメに固定しています。

さらに、大国主はスクナビコナなる相棒を経て、出雲を大発展させるわけです。

しかし、結局のところ大国主は天照大神が送り込んだタケミカヅチにより、高天原の勢力に出雲の国を譲りました。

これによりスサノオから続いた出雲王朝は、7代目の大国主の時代に終焉したとも言えます。

出雲の国譲りをスサノオがどの様な目で見ていたのかは不明です。

スサノオの最大の見せ場

スサノオの最大の見せ場に関して、例によりユーチューブでアンケートを取っております。

質問

スサノオの最大の見せ場と言えば?

母親に逢いたいと泣きべそかいてイザナキに追放or天照大神の宮殿で大便・・・15%

天照大神との誓約対決・・・4%

八岐大蛇を退治・・・69%

クシナダヒメと結ばれ和歌を詠む・・・6%

根の堅州国でオオナムジ(大国主)を激励・・・6%

上記を見るとスサノオの最大に見せ場は、八岐大蛇を退治するシーンだと多くの方が考えている事が分かります。

やはり、スサノオのイメージと言えば、八岐大蛇というイメージが強いのでしょう。

スサノオの評価

スサノオは様々な面がある神だと考えております。

イザナギから生まれ一番最初に登場した時は、母親を想って泣くなど泣き虫の女々しい男を演じていました。

しかし、高天原に行くと乱暴者となり、高天原を追放され八岐大蛇を退治する時には策士であり、英雄となっています。

さらに、クシナダヒメを妻に貰い須賀の地で和歌を詠んだ時は、爽やかさがある人物に変わっています。

そして、大国主と根の堅州国で出会った時は、「意地が悪い頑固者」に変わっていました。

こうしてスサノオを見ると、人間の様々な感情などを読み取る事が出来るはずです。

スサノオは古事記の中でも、評価は分かれると思いますが、見ていて面白いと感じる神になると感じています。

スサノオを祀る神社

神社名住所電話番号
須佐神社(須佐大宮)〒693-0503 島根県出雲市佐田町須佐7300853-84-0605
日御碕神社〒699-0763 島根県出雲市大社町日御碕4550853-54-5261
八坂神社(京都)〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625075-561-6155
広峰神社(兵庫)〒670-0891 兵庫県姫路市広嶺山52079-288-4777
津島神社(愛知)〒496-0851 愛知県津島市神明町10567-26-3216
素戔嗚神社(広島)〒729-3101 広島県福山市新市町戸手1−10847-51-2958
武蔵一宮氷川神社(埼玉)〒330-0803 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1−407048-641-0137
素盞雄神社〒116-0003 東京都荒川区南千住6丁目60−103-3891-8281
須佐之男命神社〒566-0001 摂津市千里丘3-15-1506-6338-2992
須佐能袁神社〒839-0835 福岡県久留米市草野町443−20942-47-0531

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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