名前 | 厳政(げんせい) |
生没年 | 不明 |
登場 | 三國志演義 |
主君 | 張宝 |
年表 | 184年 黄巾の乱 |
コメント | 三國志演義に登場する架空の人物 |
画像 | ©コーエーテクモゲームス |
厳政は三国志演義に名前が登場する人物です。
ただし、厳政の名は正史三国志や後漢書、資治通鑑などには無く架空の人物だと考えられています。
厳政は張宝配下の武将として描かれていますが、形勢が不利だと悟ると張宝の首を差し出し降伏しています。
これにより、抵抗を続けた黄巾賊は主力軍を失う事態となります。
厳政が張宝を殺害した後の黄巾賊は趙弘、韓忠、孫仲らが戦いを継続しますが、結局は朱儁や劉備の前に敗れました。
今回は三国志演義のオリジナルキャラである厳政の解説をします。
尚、厳政は架空の人物であり、史実では陽城県の戦いも行われていません。
今回のお話は三国志演義の物語中の話だと思って、読み進めてください。
因みに、厳政が登場するのは三国志演義の第二回です。
敗走する黄巾賊
張角亡き後も、弟の張宝や張梁は黄巾党を率いて戦いを継続しました。
しかし、張宝は朱儁、劉備、関羽、張飛らに攻撃され、副将の高昇も敗れ、張宝自身も矢傷を負い陽城県に籠る事となります。
この時に、張宝配下としていたのが、厳政となります。
黄巾賊は各地で破れ皇甫嵩や盧植、曹操の功績が認められ恩賞を賜わるなど、黄巾賊の崩壊は目前だったわけです。
三国志演義の物語には書かれていませんが、陽城県で籠城する厳政も不安だった事でしょう。
この時の陽城の城中には絶望感もあった様に感じています。
張宝を殺害
陽城県を囲む朱儁は、官軍が各地で黄巾賊を破った事を確認すると、総攻撃を仕掛けてきました。
三國志演義では、次の様に記述されています。
※完訳三国志演義 岩波文庫1巻32頁より
賊軍の勢い危うしと見るや、賊軍厳政が張宝を刺し殺し、その首を土産に降参した。
上記の記述を見ると分かる様に、厳政は張宝を裏切り官軍に降ったという事です。
ただし、三国志演義の記述を見る限りだと、厳政は自らの保身のために張宝を裏切った事になるでしょう。
ここにおいて張角、張梁、張宝と黄巾賊の主力が戦死し、黄巾の乱は一気に集結するかに思えました。
厳政が張宝の首を届けた後には、朱儁が数郡を平定した記述に繋がります。
しかし、厳政が張宝を討っただけでは、三国志演義の黄巾の乱は終わらず趙弘、韓忠、孫仲が立ち塞がり、朱儁、劉備、関羽、張飛らと戦う事となります。
三国志演義のシナリオでは厳政が張宝を斬っても、黄巾の乱は終わらなかったわけです。
因みに、三国志演義で厳政の名が挙がるのでは、ここだけであり、その後は物語に一切登場しません。
厳政の最後も描かれておらず、張宝の最後を描く為に、羅貫中が捜索したキャラだと言えるでしょう。