古代日本 日本神話

大宜都比売神(オオゲツヒメ)は穀物の女神

2022年1月18日

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名前大宜都比売神(オオゲツヒメ)
性別女神
登場古事記
コメント体から食料を取り出せる穀物の女神

大宜都比売神(オオゲツヒメ)は、食物の女神であり、スサノオに殺害された人物でもあります。

大宜都比売神の他にも、大気都比売神、大宜津比売神、大気津比売神などの名前で呼ばれる神様です。

オオゲツヒメはスサノオの怒りを買い殺害されたわけですが、遺体から穀物が生えて来た話があります。

オオゲツヒメが亡くなった事で、種が取れて地上に農業が始まったとする説もあります。

日本書紀では保食神ツクヨミが殺害した事で、体から五穀や牛や馬などが出て来ました。

古事記と日本書紀では神様に差異が出ている事が分かるはずです。

遺体から食べ物が出て来る神話を「ハイヌウェレ型神話」と呼ばれ、オオゲツヒメの話しもハイヌウェレ型神話となります。

ハイヌウェレはインドネシアの神話であり、遺体から食べ物が産まれるという話しは、世界中に分布されている状態です。

似た様な話が、東南アジア、オセアニア、中南米、アフリカと広い地域に分布され注目さすべきでしょう。

尚、イザナギとイザナミが生んだ神様の中にオオゲツヒメがいます。

しかし、スサノオにご馳走を振る舞ったオオゲツヒメと、イザナギとイザナミから生まれたオオゲツヒメが同一の神様なのかは不明です。

さらに、古事記の謎で言えば、オオゲツヒメが再度生まれた話しもあり、深く言及もされていない事から謎が多いとも言えます。

スサノオに食料を提供

スサノオが高天原で狼藉を働き、天照大神が天岩戸に引き籠る事件を起こしています。

神々は思金神の知恵を使い天照大神を、天岩戸から出す事に成功しました。

しかし、神々は天照大神が天岩戸に入る原因を作り出した、スサノオを許さず財産を没収した上で、爪と髭を切り追放しました。

古事記では追放されたスサノオが下界に行くと、オオゲツヒメに食料を求める事になります。

古事記では下界に降ったスサノオが最初に出会った神様がオオゲツヒメとなっています。

この時に、オオゲツヒメはスサノオに快く食料を提供したわけです。

オオゲツヒメの最後

オオゲツヒメはスサノオに、様々な種類のご馳走を振る舞う事となります。

しかし、ここでスサノオはオオゲツヒメが、どの様に食事を出してくれたのか気になります。

スサノオはオオゲツヒメが、調理する様子を見に行く事にしました。

すると、オオゲツヒメは自分の体の穴である口、鼻、陰部、お尻などから食料を取り出し、料理していたわけです。

ここでスサノオは「こんな汚いものを食わせたのか」と立腹し、オオゲツヒメを殺害してしまいました。

これにより、オオゲツヒメは最後を迎える事になります。

五穀の誕生

古事記によれば、殺されたオオゲツヒメの遺体から穀物が誕生した話になります。

誕生した穀物は下記になっています。

蚕(かいこ)
稲の種
小豆
陰部
大豆

オオゲツヒメの遺体から穀物が誕生した事を、造化三神の一人である神産巣日神が見ていました。

神産巣日神はオオゲツヒメの遺体から、誕生した穀物を取り種とした話があります。

古事記だと地上に穀物が誕生したのは、オオゲツヒメの体からという事になっているわけです。

オオゲツヒメと農業の成熟

過去には日本の稲作が、朝鮮半島から伝わったとされていた時代もありました。

しかし、最近では遺伝子研究なども進み、日本列島では縄文時代から稲作が行われていた事が明らかとなっています。

オオゲツヒメの話は、日本列島に農業が根付き成熟してきた事を現わすとする説があります。

オオゲツヒメが遺体となっても、神産巣日神が種を取る事が出来たのは、刈り取られても種があれば再び蘇る事を示唆するとも考えられています。

オオゲツヒメの話はあくまでも物語の神話であると考える人もいれば、農業の発展を意味すると言う専門家もいる状態です。

オオゲツヒメと保食神

日本書紀だとオオゲツヒメの代わりに、保食神が登場します。

保食神は口や目などの穴から食べ物を出す特技があったわけですが、不快に思ったツクヨミに殺害されています。

殺されてしまった保食神の体からは、オオゲツヒメと同様に食料が出て来た事になっています。

ただし、オオゲツヒメと保食神から出て来た食べ物には差異がある状態です。

保食神からは牛や馬などの家畜も出て来たのに対し、オオゲツヒメの遺体からは食べ物が出ただけとなっています。

尚、古事記がオオゲツヒメで、日本書紀が保食神となっているのは、採集した伝承の違いなどの説があります。

オオゲツヒメが祀られている神社

オオゲツヒメが祀られている神社で有名なのは、上一宮大粟神社、一宮神社、阿波井神社が有名です。

これらの神社は徳島県にあり、旧国名は阿波となっています。

阿波の由来は「粟」であり、大和朝廷に食料を送り届ける大事な土地だった話もあります。

阿波の食料に関して、重要な地域にオオゲツヒメが祀られているのは、興味深いと言えるでしょう。

上一宮大粟神社

一宮神社

阿波井神社

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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