古代日本 日本神話

天の御柱が世界の中心だった!?

2022年2月21日

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宮下悠史

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名前天の御柱(あめのみはしら、あまのみはしら)
登場古事記、日本書紀などの日本神話
所在地オノゴロ島
コメント地上に降り立ったイザナギイザナミが最初に建てた柱
画像上立神岩

天の御柱はイザナギとイザナミが、オノゴロ島に立てた柱を指します。

天の御柱を世界の中心地とし、イザナギとイザナミは国生み神産みを行って行く事となります。

イザナギとイザナミは天の御柱を周回して、結婚するなどもしました。

古代の日本人の感覚として、男女が結ばれる事において、柱が重要視されていた話もあります。

後にスサノオ八岐大蛇を退治し、クシナダヒメと結婚した時も、出雲に巨大な柱を立て、宮殿を造営しています。

他にも、大国主の「出雲の国譲り」をした後に、天孫降臨があり日向高千穂に瓊瓊杵尊が降臨しました。

この時に、瓊瓊杵尊とコノハナノサクヤヒメが結婚し、立派な柱を立てた話があります。

これらを考えると、古代の日本人の結婚と、柱は密接に関わっていたのでしょう。

今回はイザナギとイザナミが立てた天の御柱を解説します。

尚、兵庫県南あわじ市沼島にある上立神岩が天の御柱だったとする説も存在します。

上記の画像が上立神岩であり、天の御柱の如くそびえ立っているのが分かるはずです。

オノゴロ島に天の御柱が立つ

イザナキとイザナミは、造化三神神世七代の神々に命じられ、日本の国土を造る為に動き出します。

イザナキとイザナミは天沼矛を使い、天の浮き橋から地上を掻き混ぜてオノゴロ島を誕生させました。

最初に出来た地上であるオノゴロ島に、降り立ったイザナキとイザナミは、一瞬で巨大な柱と宮殿を造ったわけです。

この時の巨大な柱が天の御柱であり、宮殿が八尋殿となります。

オノゴロ島に天の御柱を建てたのは、ここを世界の中心に定めたとする説もあります。

実際にイザナキとイザナミは、天の御柱がそびえ立つオノゴロ島を拠点とし、国生みや神産みを行い日本を豊かにしていく事となります。

イザナキとイザナミの結婚

天の御柱を立てたイザナキとイザナミは、結婚する事になります。

この時にイザナキが天の御柱の左から回り、イザナミが天の御柱の右側から周り、出会った場所で結婚する事になりました。

イザナキとイザナミは共に、天の御柱を回り出会った場所で結婚し、まぐわいを行い子作りを始めています。

ただし、最初の子と2番目の子は「ヒルコ」と「アハシマ」であり失敗に終わり、3回目で淡路島を誕生させる事になります。

尚、イザナギとイザナミは天の御柱を周って結婚しましたが、柱を回って結婚する風習は中国南部やインドなどでもみられる婚礼の儀式です。

中国南部やインドから青銅器と共に柱を回って、結婚する文化が日本にも伝わったとも考えられています。

因みに、イザナギが天の御柱の左側から回ったのは、儒教の左を尊ぶ教えと男性優位の思想を合わせた結果だとも考えられています。

上立神岩

兵庫県南あわじ市沼島にある上立神岩が、天の御柱だったのではないか?とする説があります。

古代の日本では現代の様な綺麗な四角形の柱を立てるのは難しかった様に思います。

それを考えると、上立神岩が天の御柱だとしても、おかしくはないと感じました。

尚、オノゴロ島の所在地ははっきりとしませんが、沼島とする説もあります。

奇岩 上立神岩(かみたてがみいわ) - 沼島

柱が先か神が先か

古事記や日本書紀では、イザナキとイザナミなる神が先にいて、神が柱を立てた事になっています。

しかし、現実的に考えると、神々は存在しないとも考えられるわけです。

そうした考えから、日本神話では便宜上として、柱を神が造っているとも考えられます。

実際には、柱に神様が宿ると考えて、人間が柱を作り柱が先にあったとも言えます。

古代の日本人は、柱が目印となり神が宿り御神体になると考えたのでしょう。

ただし、神が物に宿る御神体は柱に限ったわけではありません。

日本では、どこの神社にも神体が祀られており、伊勢神宮の神体は八咫鏡、名古屋熱田神宮の神体は草薙剣が御神体となっています。。

尚、御神体は後から考案されたものであり、原始的な神体は木だったと考える専門家もいます。

天の御柱に何かしらの神が宿ったとする話は聞きませんが、古代の世界観において重要な要素の一つが柱なのでしょう。

因みに、長野県の諏訪地方では御柱祭があり、ここでも柱が神聖視されている事が分かります。

ただし、御柱は過酷な祭りだとも言えるでしょう。

御柱祭(公式サイト)

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