名前 | 独神 |
読み方 | ひとりがみ |
登場 | 日本神話 |
コメント | 性別の無い神様を指す |
独神は日本神話の最初の方に登場する性別のない神様を指します。
独神が男女の区別がない神様に対し、男神と女神で対になっている神を双神と呼んだりもします。
独神は古事記や日本書紀で最初の方に登場しますが、登場時には現れて消える(隠れる)だけであり、特に描写もありません。
ただし、高御産巣日神や神産巣日神は、その後に日本神話の中で登場しますが、他の独神は基本的に表れては消えるだけです。
尚、独神は男性や女性の姿で描かれる事が多いですが、基本的に独神は男女の性別が無く、人間の姿をしてはいなかったとも解釈されています。
今回は日本神話に登場する独神を解説します。
独神は誰を指すのか?
独神は誰を指すのかですが、天地開闢の後に出て来る造化三神の天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神は全員が独神となります。
古事記では造化三神の後に、宇摩志訶備比古遲神と天之常立神が登場しますが、この二柱も独神です。
造化三神と宇摩志訶備比古遲神、天之常立神を加えた五柱を別天神と呼んだりしますが、全員が独神となります。
別天神の後に、神世七代の時代に入りますが、ここでも独神は登場します。
神世七代の国之常立神と豊雲野神までの二代が独神です。
神世七代の三代目である宇比地邇神と須比智邇神から男女対になる神が登場し、これ以降は独神は登場しません。
古事記における最初に登場する七柱の神々が独身だと言えるでしょう。
独神の特徴
独神の特徴ですが、大半は現れて消えるだけであり、存在感が非常に薄いと言えます。
古事記に最初に登場する神である天之御中主神であっても、最初に登場するだけであり、何もせずに隠れてしまい非常に印象が薄いです。
日本神話での最高神は天之御中主神ではなく、天照大神だと思っている人も多いようです。
独身は男女の性別が無い為に、自ら神を生み出す事が出来ないとする説があります。
イザナギやイザナミなどは男女ペアの神となり、まぐわいを行う事で多くの神を生みだしました。
それに対し、別天神の神々や国之常立神、豊雲野神などは神を作り出しておらず、勝手に神が無から生み出されています。
これらを考慮して、独神は人間が生まれる前の男女がいない世界を表しているのではないか?とする説もあります。
植物や動物の中には、男女の区別がない生物もおり、こうした状態を独身として表しているのではないか?とも考えられるわけです。
神世七代の最後であるイザナギとイザナミになると、まぐわいを行い多くの神を誕生させている事から、イザナギとイザナミが男女の完成形だと見る向きもあります。
尚、独神は男性でも女性でもなく、性別がない事で実態の無い様な姿をしており、人間の様な造形をしていないとも考えられています。
しかし、日本神話には高御産巣日神が天若日子に誓約を行い矢を投げるシーンや、神産巣日神がスサノオに殺害されたオオゲツヒメの体から穀物を取り出す場面が存在します。
それらを考えると、独神であっても人間の姿になれたかに感じる部分もありました。
それでも、独神というのは、男女の性別もなく人間を超越した存在にも見え、人々が畏怖する様な神々にも感じました。