古代日本 日本神話

黄泉醜女(よもつしこめ)は黄泉の国の鬼女

2022年2月19日

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名前黄泉醜女(よもつしこめ)
別名泉津醜女、予母都志許売、泉津日狭女(よもつひさめ)
所属黄泉の国
生没年既に死んでいると思われる
登場古事記、日本書紀
コメント黄泉の国の住人であり山葡萄やタケノコが好き

黄泉醜女は黄泉の国の醜女であり、イザナギを追いまわした鬼女となります。

醜女と言えば化け物のイメージがありますが、醜女には強い力を持っているとする意味もあります。

黄泉醜女の正体は不明ですが、イザナミが黄泉醜女に命令して、イザナギを追いかけた事を考えると、イザナミの部下的な存在なのでしょう。

イザナミは火の神であるカグツチを生んだ時に、亡くなり黄泉の国では新参者になるはずです。

しかし、イザナミは神世七代の神であると同時に、「国生み」「神生み」を成し遂げたグランドマザーでもあります。

そうした関係から必然と黄泉醜女よりも、イザナミの方が上位になってしまうのでしょう。

今回は黄泉醜女の解説を行いますが、合わせて黄泉醜女の正体も考察してみました。

尚、黄泉醜女を祀っている神社があるのかは不明な状態です。

因みに、黄泉醜女らがイザナギを追いかけまわしたのが、日本で最初の「鬼ごっこ」だとも考えられています。

イザナギを追いまわす

イザナミの命令

イザナギはイザナミの死を悼み黄泉の国まで迎えにきました。

しかし、イザナギは「見ないで」と言ったイザナミの姿を見てしまいます。

イザナミの体は死体の様になっており、体からはウジが湧き雷神がうごめいていたわけです。

イザナギはビックリして、逃げ出しますが、イザナミはイザナギを捕まえる様に、黄泉醜女に命令しました。

これにより、黄泉醜女らはイザナギを追いかける事になったわけです。

山葡萄とタケノコが好き

黄泉醜女はイザナギを追いますが、イザナギは髪飾りを投げ山葡萄に変えました。

すると、黄泉醜女は山葡萄を食べ出し、その間にイザナギは逃げ去っていきます。

黄泉醜女らは、山葡萄を食べ終わると再び、イザナギを追いかけます。

ここでイザナギは、身に着けていた櫛を投げると、今度は櫛がタケノコに変わりました。

黄泉醜女はタケノコの皮を一枚ずつ剥き始めます。

黄泉醜女らはタケノコを食べるのに、夢中となり再び追撃を遅らせる事になります。

タケノコが全て食べ終えると、黄泉醜女は再びイザナギを追いかけます。

ここから分かるのは、イザナギはブドウやタケノコを使って、黄泉醜女の動きを封じていると言う事です。

つまり、足の速さで言えば、イザナギよりも黄泉醜女の方が早い事になるのでしょう。

実際に、黄泉醜女の足は速いとする記述も存在します。

もしくは、イザナギには体力があり段々と足が鈍りますが、黄泉醜女は疲れ知らずの体質なのかも知れません。

黄泉の国の軍隊を出す

イザナミは黄泉醜女では、イザナギを捕える事が出来ないと判断したのか、雷神に追撃を行わせ黄泉の国の軍隊を出しました。

ここから先は、黄泉醜女の出番はなく、イザナギを追いかけるのは、雷神と黄泉の国の軍隊となります。

しかし、イザナギは黄泉比良坂まで辿り着き、桃の実(オオカムヅミ)を得た事で黄泉の国の軍隊は撤退しています。

イザナギが黄泉比良坂の出口を大岩で塞いだ事で、イザナギとイザナミ、黄泉醜女、黄泉の国の軍隊の鬼ごっこは終わりを迎えました。

結局は、黄泉醜女らは、イザナギを捕まえる事が出来なかったわけです。

尚、黄泉の国と根の堅州国は同じだとする話しもあり、後に大国主がスサノオの娘であるスセリビメと駆け落ちし、スサノオに追いかけられるシーンがあります。

ここでは、黄泉醜女は登場せずに、スサノオは単独で大国主とスセリビメを追いかけています。

スサノオは天照大神、月読命と並び三貴士の一人に数えられ強大な力を持っていた説もあり、黄泉醜女を頼りにしなかったのかも知れません。

イザナギを追いかけたのを最後に、黄泉醜女の出番は無くなります。

黄泉醜女の正体

黄泉醜女の正体ですが、個人的には死んだ人間だと感じています。

イザナミは黄泉の国に来たのは、遅い訳ですが、元は神世七代の神であり黄泉の国では「黄泉津大神」と呼ばれる事になります。

それを考えると、黄泉醜女は死んだ人間であり、黄泉の国でイザナミの部下になったのかな?と感じました。

イザナギとイザナミの「国生み」「神産み」には、人間が誕生したとは記載されていません。

しかし、イザナギとイザナミの別れのシーンで、イザナミは1日に人間の命を1000人奪うと宣言し、イザナギは1500の産屋を建てると宣言したわけです。

これを考えると、黄泉醜女がイザナギを追いまわしていた頃には、人間が誕生していた事が分かります。

死した人間は黄泉の国に行き、黄泉醜女になったように感じました。

ただし、これらの事は古事記や日本書紀、各地の風土記に書かれているわけではなく、真相は不明な部分が多いです。

科学的に考えれば黄泉醜女は動けない!?

非情に現実的な話となるのですが、黄泉醜女は黄泉の国の住人であり、体は腐っていたと思われます。

科学的に考えると、黄泉醜女は自力で動けない事になります。

人間は体の筋肉を使って動くのであり、黄泉醜女は死して筋肉が腐っているのであれば、動く事が出来なくなるはずです。

これは西洋のゾンビなどにも言える事であり、科学的に考えれば黄泉醜女の足が速いというのは無理があります。

ただし、黄泉醜女を遠隔操作で何者かが動かしているのであれば、話は違ってきます。

神話の世界の話しなので、現実離れしていて当たり前なのですが、科学的に考えれば黄泉醜女がイザナギを追いかけるのは無理があると言う事です。

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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