古代日本 日本神話

クシナダヒメ(櫛名田比売・奇稲田姫)は美人で稲作の神だった!?神社でも祀られている

2022年2月13日

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名前クシナダヒメ(櫛名田比売・奇稲田姫)
別名稲田媛、稲田姫命、眞髪觸奇稲田媛、久志伊奈太美等与麻奴良比売命
登場古事記、日本書紀、出雲風土記
親族配偶者:スサノオ 両親:足名椎命手名椎命 子:八島士奴美神
コメント八岐大蛇の生贄になる所だったがスサノオに助けられる
関連須賀神社、八重垣神社、須佐神社、氷川神社、櫛田神社など

クシナダヒメは足名椎命、手名椎命ら老夫婦の子です。

クシナダヒメは八岐大蛇に食べられてしまうはずでしたが、スサノオがやってきた事で状況は一変しています。

スサノオは美人のクシナダヒメに惚れ込み、八岐大蛇を討伐した暁には、クシナダヒメを妻に迎えたいと申したからです。

八岐大蛇はスサノオが見事に討伐し、クシナダヒメとスサノオは結ばれました。

スサノオは出雲王朝の建国者として見られる事がありますが、スサノオが出雲の王になったのであれば、クシナダヒメは日本で最初の皇后(王后)になったとも言えるでしょう。

今回はスサノオ編で、最大のヒロインであるクシナダヒメを解説します。

尚、クシナダヒメ(櫛名田比売)には別名として「奇稲田姫、稲田姫命、稲田媛、眞髪觸奇稲田媛、久志伊奈太美等与麻奴良比売命」などの名があります。

全国の神社にも祀られており、稲作の神様として見られる事もあります。

クシナダヒメがスサノオを選んだ理由のアンケートも取ってありますので、合わせてご覧ください。

八岐大蛇に食べられる運命だった

クシナダヒメは、足名椎命、手名椎命と老夫婦の娘として生まれました。

クシナダヒメは8人姉妹だったとも伝わっています。

しかし、八岐大蛇が高志国からやってくると、クシナダヒメを残して姉妹は全員が食べられてしまいます。

八岐大蛇は毎年一人ずつ、老夫婦の娘を食べてしまったと伝わっています。

そして、最後の一人がクシナダヒメとなってしまったわけです。

年老いた足名椎命、手名椎命ではなく、若い女性ばかりを八岐大蛇は食べている事から、八岐大蛇の正体は人間だったとする説もあります。

このタイミングでスサノオが、クシナダヒメに家に食料を求めて現れました。

スサノオと婚約する

スサノオは高天原で狼藉を働き、天照大神が天岩戸に引き籠る事件もあり、高天原を追放されています。

しかし、スサノオはイザナギの子で三貴士の一人でもあり、強大な力を持っていたわけです。

スサノオはクシナダヒメに一目惚れしており、八岐大蛇を退治した暁には、クシナダヒメを嫁に欲しいと述べます。

スサノオとクシナダヒメは出会ったばかりであり、足名椎命は難色を示します。

しかし、スサノオが天照大神の弟だと名乗ると、足名椎命は八岐大蛇を退治したら、スサノオにクシナダヒメを与えると宣言しました。

クシナダヒメの婚礼に対して、足名椎命とスサノオが全て決めており、クシナダヒメが意思を示した話は伝わっておりません。

当時の結婚は親が決め、女性は決められた相手に嫁ぐのが風習だったとも考えられています。

八岐大蛇を退治

スサノオは八岐大蛇を退治する前に、クシナダヒメを櫛に変えて装着しています。

スサノオは足名椎命と手名椎命に8つの門と強い酒を用意し、策を持って八岐大蛇を退治する事に成功しました。

スサノオは強大な力を持った神とはいえ、正面から戦っては八岐大蛇に勝てないと判断し、策を使い八岐大蛇を退治したのでしょう。

クシナダヒメはスサノオに櫛に変えられており、スサノオが八岐大蛇を退治する様子を見ていたはずです。

スサノオは古事記や日本書紀を見るに、下品な部分もありますが、クシナダヒメにしてみれば頼りになる男性として、見えたのではないでしょうか。

尚、スサノオが八岐大蛇を退治した時に、出て来た剣を天照大神に献上し、三種の神器が全て揃った話があります。

八岐大蛇から出て来た剣は後に、草薙剣と呼ばれる事となります。

クシナダヒメのその後

スサノオが八岐大蛇を退治すると、クシナダヒメとスサノオは結ばれる事になります。

スサノオはクシナダヒメを妻に迎えた事で、非常に満足した話があり、日本最初の和歌まで詠んだ話があります。

スサノオは須賀に宮殿を造営しクシナダヒメと暮らし、クシナダヒメの父親である足名椎命を宮殿の責任者とし、稲田宮主須賀之八耳神の名を与えています。

スサノオとクシナダヒメはまぐわいを行い誕生した子が、八島士奴美神です。

スサノオは出雲の王になった話もあり、日本で最初の世襲制王朝が誕生したとする説もあります。

ここれで、クシナダヒメの記録は途切れてしまいますが、古事記だと次にスサノオが登場するのは根の堅州国です。

しかし、スサノオがなぜ根の堅州国に行ったのかも分かりませんし、クシナダヒメも根の堅州国に行ったのかは分かっていません。

根の堅州国では大国主とスサノオの娘であるスセリビメが駆け落ちした話がありますが、クシナダヒメとスセリビメの関係も分からない状態です。

クシナダヒメの記述は、八岐大蛇を退治し須賀に宮殿を造営した所で途切れています。

尚、スサノオはクシナダヒメ以外にも、神大市比売を妻とした話があります。

スサノオは日本で最初に一夫多妻制を実現したとも考えられています。

ただし、スサノオの後継者になったのは、クシナダヒメの子である八島士奴美神であり、正妻はクシナダヒメだったのでしょう。

奇稲田姫が稲作の期限だった!?

八岐大蛇の正体は斐伊川の氾濫だったとする説があります。

斐伊川は暴れ川であり、多くの人々を困らせていました。

クシナダヒメは生贄として斐伊川に捧げられるはずでしたが、知識人のスサノオが現れ治水工事を行ったとも考えられています。

日本書紀だとクシナダヒメは「奇稲田姫」と記載されており、名前に「稲」の文字が入っている事が分かります。

治水を行って水田を作ったスサノオと、稲の奇稲田姫が結ばれ、稲作が始まったとする説もあります。

ただし、スサノオは高天原を追放された時に、オオゲツヒメを殺害し食物の種を手に入れていた話しもあり、そこから奇稲田姫と出会い稲作が始まったとする考えもあります。

オオゲツヒメが殺害された時に、造化三神の三番目の神である神産巣日神がオオゲツヒメから種を採取した話もあります。

神産巣日神の子にスクナビコナがおり、大国主と共に稲作を広めたとする神話もあり、稲作が始まった神話に関しては様々な説があります。

クシナダヒメは何故スサノオを選んだのか?

スサノオは八岐大蛇を退治した英雄ではありますが、元は乱暴者であり高天原では様々な狼藉を行っています。

しかし、クシナダヒメとスサノオは無事に結ばれており、ユーチューブの私のチャンネルで次のアンケートを取ってみました。

(投票する事も可能です)

八岐大蛇を倒したスサノオとクシナダヒメは結ばれました。

この時に、クシナダヒメはスサノオの事をどう思ったと思いますか?

八岐大蛇を倒したら妻になる事が約束だったから妻となった・・・43%

八岐大蛇から守ってくれたスサノオが頼りになると思って妻になった・・・30%

スサノオに初めて会った時に、一目惚れして妻となった・・・6%

スサノオが高貴な身分の人だと知り逆玉狙いで妻になった・・・13%

スサノオが楽そうな男だと思って妻になった・・・8%

上記のアンケート結果を見ると分かる様に、半分近くの方が約束だから妻になったと答えています。

それでも、スサノオの頼りがいをクシナダヒメが評価したと考えた人も、30%を超える投票を得られています。

クシナダヒメを祀っている神社

須賀神社(和歌山県日高郡みなべ町)

和歌山県日高郡みなべ町にある須賀神社には、主祭神として素盞鳴尊、櫛稲田姫命の名前が挙がっています。

須賀の名前が付く神社は島根県や高知県に多いのですが、日本全国に「須賀」「清」「酒賀」などと表記され存在しています。

尚、須賀神社の多くは明治政府の神仏分離令の前は、「牛頭天王社」と称していた話があります。

因みに、須賀神社は日本で最も古い神社としても伝わっています。

須賀神社(和歌山)〒645-0027 和歌山県日高郡みなべ町西本庄2420739-74-2204

八重垣神社(島根県松江市)

島根県松江市佐草町にある八重垣神社には、主祭神として素盞鳴尊、稲田姫命の名前があります。

稲田姫となっていますが、クシナダヒメの事です。

八重垣神社は出雲の古い民謡に「早く出雲の八重垣様に、縁結びを願いたい」とあり、当初は縁結びの神社として信仰されていた話があります。

八重垣神社の名前に関しては、スサノオが詠んだ和歌に由来する事は言うまでもないでしょう。

尚、八重垣神社には重要文化財である板絵著色神像があり、稲田姫命も描かれています。

八重垣神社〒690-0035 島根県松江市佐草町227電話0852-21-1148

氷川神社(埼玉県さいたま市)

氷川神社は2000年を超える歴史があるとも伝わっている神社であり、大宮氷川神社とも呼ばれています。

氷川神社の主祭神として須佐之男命、稲田姫命、大己貴命の名前が挙がっています。

大己貴命は大国主を指し、須佐之男命、稲田姫命の子孫である事から、一緒に祀られていると考えられています。

尚、氷川神社は約三万坪の広大な境内があり、朱塗りの楼門や様々な施設があるのも特徴の一つです。

氷川神社は自然豊かな神社でもあります。

氷川神社〒330-0803 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407電話048-641-0137

その他のクシナダヒメを祀っている神社

須佐神社〒693-0503 島根県出雲市佐田町須佐730電話0853-84-0605
櫛田神社〒939-0413 富山県射水市串田6841電話0766-54-1733
須我神社〒699-1205 島根県雲南市大東町須賀260電話0854-43-2906
八坂神社〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625電話075-561-6155
広峯神社〒670-0891 兵庫県姫路市広嶺山52電話079-288-4777
櫛田宮〒842-0001 佐賀県神埼市神埼町神埼419−1電話0952-52-3016
久志伊奈太伎比咩神社〒926-0821 石川県 七尾市 国分町ラ部1番地電話0767-57-1748

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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