名前 | オノゴロ島(淤能碁呂島・自凝島) |
登場 | 古事記、日本書紀 |
地域 | 日本 |
コメント | 日本で最初に出来た島だが、どこにあったのかは謎 |
関連 | おのころ島神社、沼島、能古島、絵島など |
オノゴロ島は日本で最初に出来た島だとされています。
オノゴロ島は「淤能碁呂島」や「自凝島」と記述される事もあります。
尚、淤能碁呂島や自凝島の読み方は「おのごろしま」もしくは「おのごろじま」です。
オノゴロ島は淡路島、本州、四国、九州が誕生する前に出来た島であり、謎が多いと言えます。
オノゴロ島は高天原の天浮橋から、イザナギとイザナミが地上を掻き混ぜた事で出来た島となります。
しかし、オノゴロ島がどこにあったのか?となると諸説があり、はっきりとしない状態です。
今回はイザナギとイザナミが天沼矛を使い出来た島である、オノゴロ島を解説します。
尚、オノゴロ島がどこにあったのか?のアンケートを取ってみたのですが、半分以上の方が瀬戸内海の周辺にオノゴロ島があったと考えている事が分かりました。
アンケート結果については、最後の部分で記載しておきます。
オノゴロ島の誕生
天地開闢の時に造化三神や神世七代の神々が誕生しますが、神世七代の最後に出て来たイザナギとイザナミを残して隠れてしまいました。
古事記によれば、神々は地上を作る様に命じたとあります。
ここで言う神々は造化三神や別天神、神世七代の隠れてしまった神々を指すのでしょう。
イザナギとイザナミは神々の命令に従い、日本列島を造る為に奮闘する事になります。
イザナギとイザナミは天浮橋の上で、神々から与えられた天沼矛を使い、下界を「こおろ。こおろ」とかき混ぜたわけです。
地上をしっかりと掻き混ぜた後に、天沼矛を引き抜くと、矛から塩が滴り落ち島が形成されて行きます。
この出来た島が、オノゴロ島でありイザナギとイザナミは、見事にオノゴロ島を完成させる事に成功しました。
イザナギとイザナミはオノゴロ島に降り立つと、八尋殿と呼ばれる宮殿と天の御柱と呼ばれる柱を建てています。
オノゴロ島を拠点とし、イザナギとイザナミは国生みや神産みを行って行く事となります。
日本版のアダムとイブが、オノゴロ島に舞い降りたイザナギとイザナミだとも言えるでしょう。
オノゴロ島の由来
オノゴロ島ですが、漢字で書くと「自凝島」となります。
自凝島の名前の由来ですが、塩が自ら固まって出来た島だから、自凝島だと言われています。
オノゴロ島は性的な表現だとする話しもあり、天沼矛が男性器だとも考えられています。
イザナギとイザナミが矛でかき混ぜ、塩が滴り落ちるなどは性的な表現に近いと言えるでしょう。
ただし、別説としては、淡路島の海女たちが、塩を作る様子を指すと考える人もいます。
オノゴロ島の名前の由来などは、神話の世界の話であり、事実の解明は難しいと述べるほかありません。
オノゴロ島はどこにあったのか?
仁徳天皇の歌
古事記に仁徳天皇が淡路島に行った時に、淤能碁呂島と淡島が見えたとする話が残っています。
仁徳天皇の歌が真実だとすれば、オノゴロ島は淡路島から見える場所であり、淡路島付近になるはずです。
実際に、オノゴロ島だとされる島の多くは、淡路島の周辺にあります。
さらに言えば、イザナギとイザナミの国生みにおいて、古事記も日本書紀も淡路島が最初に出来た島となっています。
こうした事情からも、オノゴロ島が淡路島近辺の島だと考えられるのでしょう。
沼島
オノゴロ島は沼島だとする説があります。
オノゴロ島は天沼矛で出来た島であり「天沼矛→沼島」とする解釈も出来るとされています。
淡路島の周辺には、オノゴロ島だとされる島が幾つもあります。
そのうちの一つが沼島です。
沼島は海から突き出た岩石であり、高さは20メートル超えると言われています。
平安時代から鎌倉時代の文献には、沼島がオノゴロ島だと比定する記述も見られます。
沼島もオノゴロ島の候補の一つです。
能古島
オノゴロ島が九州の能古島だとする説もあります。
淡路島から遠く離れた九州の博多湾の能古島だとされる理由は、当地に伝わっている伝承にあります。
伝承ではイザナギは糸島半島を拠点とする部族の長であり、イザナミが博多湾の東を拠点とした部族の女性となっています。
この話を元にすると糸島半島にいたイザナギは能古島を左から進み、イザナミは博多湾の東から能古島を右に進むと考えるわけです。
すると、イザナギとイザナミは福岡県西区の姪浜で出会う事となります。
この話はイザナギとイザナミが、オノゴロ島の天の御柱を回り、結婚した話と共通点があるのが面白い所です。
姪浜には小戸公園があり、小戸大神宮もあります。
社伝によれば、小戸大神宮の場所が、イザナギが禊を行った場所とも伝わっています。
小戸大神宮の社伝が正しければ、この場所で天照大神、スサノオ、月読命と三貴士を誕生させた事にもなるのでしょう。
おのころ島神社(自凝島神社)
おのころ島神社(自凝島神社)が、オノゴロ島だとする説もあります
尚、おのころ島神社には、コンクリート製の巨大な鳥居があります。
この鳥居は昭和57年3月に建立され、高さ21,7m、柱間口12.7mであり、日本の三大鳥居の一つに数えられています。
因みに、おのころ島神社の鳥居以外の、日本三大鳥居は厳島神社(広島)と平安神宮(京都)です。
当り前ですが、おのころ島神社の主祭神は、イザナギとイザナミになっています。
神社名 | 住所 | 電話番号 |
おのころ島神社 | 〒656-0423 兵庫県南あわじ市榎列下幡多415 | 0799-42-5320 |
YouTubeアンケートの結果
オノゴロ島がどこにあったのか?ユーチューブを使ってアンケートを取ってみました。
投票数が699票の段階では、次の様になっています。
質問
イザナギとイザナミが最初に造り舞い降りたオノゴロ島は、どこにあったと思いますか?
・瀬戸内海の島(沼島など)・・・62%
・九州(能古島など)・・・15%
・ムー大陸、アトランティス大陸など・・・6%
・存在しなかった・・・9%
・その他の場所・・・8%
上記の結果から見ると、オノゴロ島が瀬戸内海にあった島だと考える人が多いと言えます。
逆に言えばムー大陸やアトランティス大陸の様な事が真実だと考える人は殆どいない様です。
瀬戸内海の淡路島の近くにあったと考える人が多い理由は、先に述べた様に仁徳天皇の言葉から「オノゴロ島」が見えたとする記述がある為なのでしょう。