古代日本 日本神話

八十神(やそがみ)は意地が悪く嘘をつくひどい神様

2022年2月6日

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名前八十神(やそがみ)
登場古事記、出雲国風土記
生没年不明
一族父:天之冬衣神、弟:大国主
コメント因幡の白兎を騙し、大国主の命を狙うひどい神様
関連赤猪岩神社、出雲神楽・八十神

八十神は古事記や出雲国風土記に登場し、意地悪をしたり嘘をつくなど酷い神様として登場します。

八十神は一人の神様を指すのではなく、沢山の神様の意だと考えればよいでしょう。

尚、日本神話において「八」という数字は「たくさんや大きい」を意味し、八尋殿、八咫烏、八咫鏡、八尺瓊勾玉などもあります。

日本神話では「八」が神聖視されていたとする説もありますが、八十神を見る限りは神聖さは感じられません。

八十神に関しても、日本書紀には登場せず、記紀の中では古事記だけに登場する神様です。

今回は大国主の兄たちである八十神を解説します。

八十神とは

八十神達の父親は天之冬衣神ですが、母親の名前はよく分からない状態です。

天之冬衣神は多くの妻がいたはずですが、分かっているのは、大国主の母親である刺国若比売だけとなります。

八十神らが、どの様な教育を受けていたのかは不明ですが、弟である大国主を荷物持ちにさせたり虐めていたわけです。

八十神らは無抵抗な大国主に対して、いじめを行っていたのでしょう。

こうした中で、八十神らの耳に因幡にヤガミヒメなる美人の神様がいる情報を得る事となります。

八十神らはヤガミヒメにプロポーズする為に、因幡に向かい大国主には荷物持ちをさせる事にしました。

因幡の白兎を騙す

隠岐の島からサメたちを利用して因幡に上陸した一匹の兎がいました。

この兎が昔話などでも有名な因幡の白兎です。

しかし、白兎はサメを騙して因幡に渡った事で、サメの怒りを買い毛をむしられてしまいました。

白兎は重傷となってしまいますが、ここに因幡を目指す八十神らと遭遇します。

痛がっている兎をみた八十神らは、次の様に述べています。

八十神「海水をしっかりと浴びて、高い山の尾根に行きしっかりと風に当たれば、直ぐに治る」

白兎は八十神らの言葉を信じ、海水を浴びて山に登り風にあたったわけです。

しかし、海水により肌は余計に悪化し、風に吹かれた事で、以前よりも傷の状態が悪くなってしまいます。

海水には塩が混ざっており、殺菌効果がありそうな感じもしますが、因幡の白兎の話の中では、八十神らは兎に酷い事をしたとなっていました。

白兎と八十神は出会ったばかりであり、白兎は八十神に恨みを買っていたわけでもなく、単なる八十神らが意地悪だったという話しになっています。

兎の予言

この後に、白兎が海岸に戻ると、荷物持ちの大国主が通り掛かりました。

大国主は心優しき神様であり、白兎を憐れみ正しい治療方法を教えたわけです。

大国主の言葉に従った白兎は、みるみる回復し、次の様に述べます。

白兎「八十神らはヤガミヒメの心を掴む事は出来ません。

ヤガミヒメの心を掴む事が出来るのは、あなた(大国主)だけです。」

白兎は八十神の失恋と、大国主の恋愛成就を予言したわけです。

この後に、八十神らはヤガミヒメにプロポーズを行いますが、ヤガミヒメは全て断わりました。

しかし、大国主が現れると、ヤガミヒメは大国主との結婚を宣言します。

兎にひどい意地悪を行った八十神らは全員が振られ、正しい心を持った大国主が選ばれる結果となりました。

これが因幡の白兎の話であり、八十神らからしてみれば、失恋の物語にもなっています。

しかし、八十神らは大国主を下に見ており、大国主がヤガミヒメに選ばれたのが許せなかったわけです。

大国主の命を狙う

灼熱の岩

八十神らは大国主に逆恨みを始め、大国主を伯耆国の手間の山に連れて行きました。

ここで八十神らは大国主に、次の様に述べます。

八十神「この山には赤い猪がおると聞いておる。

我等はこの山に登り赤い猪を下に追い落とすから、お前が猪を捕えろ。

猪を逃がしたら只ではおかない」

八十神は手間の山に登り大きな岩を火で焼き、大国主に向けて転がします。

大国主は焼けた赤い岩を、猪だと思い受け止めますが、熱で焼かれて亡くなってしまいました。

八十神は大国主の命を奪う事に成功したわけです。

しかし、大国主の母親であるサシクニワカヒメが高天原に行き、造化三神の一人である神産巣日神に大国主を生き返らせる様に依頼しました。

神産巣日神はサシクニワカヒメの願いを叶え、貝比売と蛤貝比売を地上に派遣し、大国主を生き返らせます。

生き返った大国主は、以前よりも美男子になって復活したとあり、八十神らは大国主を助けてしまった事にもなるでしょう。

木で挟んで圧死させる

大国主は生き返りましたが、八十神らは再び大国主の命を狙う事になります。

八十神は大国主を山に連れて行くと、木を真っ二つに割り木に楔を打ち止めておきます。

木の真中に大国主が立つと、八十神らは楔を切り大国主は木に挟まれてしまい圧死しました。

大国主は生き返ったと思ったら、直ぐに八十神らに殺されてしまったわけです。

しかし、大国主は再び母親であるサシクニワカヒメが生き返えらせています。

サシクニワカヒメは大国主に紀伊国のオオヤビコノカミを頼る様に言いつけました。

大国主はオオヤビコノカミのいる紀伊に行きますが、八十神らは紀伊まで追いかけて行ったわけです。

八十神は執拗に大国主の命を狙いますが、オオヤビコノカミが機転を利かせた事で大国主は無事に逃げ延びる事が出来ました。

この後に、大国主はスサノオがいる根の堅州国に向かう事になります。

八十神の最後

大国主は根の堅州国でスサノオの娘であるスセリビメと結婚し、地上に戻って来る事になります。

この時に、スサノオは大国主に次の言葉を言い放っています。

スサノオ「お前の命を狙っている兄弟(八十神)らを坂下に追い込み、河の深みに追い払ってやれ」

大国主は再び八十神と対峙しますが、この時の大国主は過去とは比べ物にならない程に強くなっていました。

スサノオの言葉通り、大国主は八十神らを倒し出雲の支配者となったわけです。

古事記を見る限りでは、八十神らはいい所がまるでなく、単に意地悪な存在だったと言えるでしょう。

古事記は成長の物語とも言われていますが、大国主はいじめられっ子から強い男になりましたが、八十神らは成長もなく終わったと言えるでしょう。

八十神の評価

ここまでの話を見て分かると思いますが、八十神はただの嫌な奴であり評価は極めて低いと言えるでしょう。

視聴者様の依頼もあり、私がユーチューブで日本神話で「彼氏にしたくない神様」を集計しました。

エントリーしたのは「スサノオ」「ニニギノミコト」「ツクヨミ」「ヤマトタケル」「八十神」の五柱です。

上記の結果を見れば分かる様に、八十神はニニギノミコトに続く第2位となっています。

投票数は1000件以上あり、投票の結果に対しては、かなりの信憑性があると感じております。

やはり、八十神は人間性?を疑われる部分もあり、評価はかなり低い事は確実でしょう。

八十神と関係する神社など

赤猪岩神社

大国主が焼いた岩を抱きとめたとされる神社が残っています。

それが、島根県南部町の赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)です。

赤猪岩神社のHP

住所:赤猪岩神社の鳥取県西伯郡南部町寺内232

さらに、赤猪岩神社には、大国主が受け止めたとされる大岩まで残っています。

因みに、赤猪岩神社の御祭神が大国主であり、その他にはサシクニワカヒメ、スサノオクシナダヒメが祀られています。

残念ながら八十神らは祀られていません。

日本の神社に八十神を祀る神社があるのかは不明だと言えます。

岩見神楽

岩見神楽で人気の演目として八十神があります。

岩見神楽で行われる八十神の話は、古事記の話とストーリーは大体同じです。

ヤガミヒメに求婚を行った八十神らは全員が振られてしまい、ヤガミヒメは大国主を選びました。

八十神は大国主の命を狙いますが、最後は古事記と同様に八十神は大国主に倒されています。

岩見神楽・八十神

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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