その他 三国志

蔡氏(さいし・蔡夫人)は劉表の後妻

2022年4月10日

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名前蔡氏(さいし) 別名:蔡夫人
生没年不明
時代後漢末期、三国志
勢力劉表
一族父:蔡諷 一族:蔡瑁蔡和蔡中蔡勲(三国志演義)
画像三国志(コーエーテクモゲームス

蔡氏は蔡諷の次女であり劉表に嫁いだ事で有名です。

蔡氏の姉は襄陽記によれば、黄承彦の妻となり、弟の蔡瑁は劉表や曹操配下となりました。

蔡氏の家は荊州でもかなりの名門であり、荊州刺史となった劉表も誼を結びたいと考えたのでしょう。

尚、黄承彦と蔡氏の姉の子が黄月英であり、諸葛亮に嫁いでいます。

劉備の軍師として有名な諸葛亮は、蔡氏と親戚の関係です。

蔡氏は劉表に嫁ぐと、劉琮を後継者にするべく動き、お家騒動の元となりました。

三国志演義では劉琮の実母が蔡氏という設定ですが、正史三国志を見ると蔡氏が劉琮の母親だったとする記述はありません。

三国志演義の蔡氏は劉備の命を狙っており、悪女としても描かれていますが、本当に悪女なのか?も考察してみました。

因みに、蔡氏は本名でない事は明らかでしょう。

三国志の時代では女性の名前が分からない場合が大半です。

劉琮を可愛がる

蔡氏は劉琮が後継者になれる様に、劉表にプッシュしたかの様な話が残っています。

蔡氏が劉琮を劉表の後継者にしたいと考えたのは、蔡氏の姪が劉琮に嫁いだからです。

蔡氏の家は荊州でも名門であり、蔡氏の発展の為には、劉琮に後継者になって貰った方が都合がよいと考えたのでしょう。

こうした事情もあり、蔡氏は蔡瑁や張允と共に、劉琮を後継者にすべく動いたわけです。

劉表にしても、自分の後継者が荊州名家である蔡氏と関係がこじれるのは厄介だと感じたのか、劉琮を後継者にする様に考える様になったのでしょう。

それを考えると、劉表は蔡氏の姪を劉琮ではなく、劉琦に嫁いだ方が良かったのかも知れません。

韓嵩を助ける

袁紹と曹操の間で官渡の戦いが起きた頃に、劉表は韓嵩を偵察の為に都に送りました。

この時に韓嵩は「自分が都に行けば官位を授けられ朝廷の臣下になってしまうから、劉表様の臣下ではいられなくなってしまう」と断りを入れてから都に向かいます。

韓嵩は朝廷で官位を授けられて帰ってくれば、劉表の怒りを買うと感じ、あらかじめ劉表に釘を刺しておいたのでしょう。

しかし、劉表は韓嵩が帰って来ると「裏切り者」だと述べ、牢に入れ処刑しようとしました。

韓嵩は予防線を張っておいたのにも関わらず、劉表の怒りを買ってしまったわけです。

この時に韓嵩に助け舟を出したのが、蔡氏となります。

蔡氏は次の様に述べました。

蔡氏「韓嵩は楚の名門の家柄です。

韓嵩の言葉は率直であり、韓嵩を処刑なさるだけの理由はございません」

劉表は蔡氏の言葉を聞くと、韓嵩の処刑は取りやめましたが、拘禁状態にしました。

韓嵩は自由の身にはなれませんでしたが、蔡氏のお陰で命拾いしたと言えます。

蔡氏は韓嵩の事を「楚の名門」だと述べており、蔡氏の家と韓嵩の家は共に名士であり交流もあったのでしょう。

その後の蔡氏

三國志演義では劉琮は曹操に降伏すると、蔡氏(蔡夫人)と共に青州に向かいました。

その道中で、于禁に出会ってしまい劉琮も蔡氏殺害され、命を落としています。

劉琮や蔡氏が于禁に殺害された話は、曹操を乱世の梟雄として見せる為の、三国志演義オリジナルの設定だと考えた方がよいでしょう。

実際の劉琮は本人が希望した通り青州刺史となっており、劉表の臣下だった蔡瑁、蒯越劉先傅巽王粲文聘など多くの者が重用されています。

蔡氏が過去に助けた韓嵩も、曹操により大鴻臚に任命されました。

それを考えると、曹操は蔡瑁の一族である蔡氏の事も邪険には扱わなかったと考えるべきでしょう。

ただし、蔡氏の最後は記録がなく分かっていません。

もう一人の蔡氏

張羨に反乱を唆した桓階なる人物がいました。

後に張羨は病死し、子の張懌が反乱を引き継ぎますが、劉表は張懌を破ります。

桓階は身を隠しますが、何を思ったのか劉表は桓階を探し出し従事祭酒としました。

劉表は桓階に官位を与えるだけに飽き足らず、自分の妻の妹である蔡氏を娶らせようと考えます。

ここで、桓階は既に結婚している事を理由に、蔡氏を娶る事はしませんでした。

しかし、桓階の記述から劉表の妻となった蔡氏には妹がいた事が分かります。

劉表の妻も蔡氏と呼ばれ、ややこしいですが、正史三国志には二人の蔡氏が記録に残っています。

蔡氏は悪女なのか?

蔡氏は三国志演義では蔡瑁らと結託し、劉備を殺害しようとするなど悪女としても描かれています。

正史三国志でも蔡氏は、劉琮を後継者にする為に、劉表に働きかけました。

しかし、蔡氏は悪女というよりも、あくまでも普通の女性といった感じではないか?とも感じています。

何故なら、劉表の後継者が劉琦になるのか劉琮になるのか?で蔡氏の待遇は大きく変わるからです。

蔡氏の一族の繁栄を考えるならば、劉琮を後継者にしたいのは当然の成り行きだと感じました。

さらに言えば、蔡氏は劉琮を後継者に立てようとしてはいますが、劉琦を暗殺するなど手に掛ける様な事はしてはいません。

劉琦が身の危険を感じ江夏太守になるなどはありましたが、劉琦を殺害してない点を考慮すると、蔡氏がそこまでの悪女とは思えませんでした。

晋の献公の妻で申生、夷吾、重耳を殺害し、奚斉を後継者にしようとした驪姫や、何進の妹で霊帝に嫁ぎ、王美人を毒殺し董太后を幽閉した何皇后の方がよっぽどの悪女だと言えるでしょう。

さらに、前漢の劉邦の妻である呂后の様な残虐な行為も行った記録はありません。

蔡氏は聖女ではありませんが、悪女とも言えないと思いました。

蔡氏の能力値

三国志14統率11武力22知力70政治58魅力68

この記事を書いた人

構成・文/宮下悠史

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