
| 名前 | 媧燐(かりん) |
| 登場 | キングダム |
| コメント | 生き別れの弟がいる |
媧燐は漫画キングダムに登場する架空の人物です。
史記や戦国策を呼んでも媧燐なる人物を見つける事は出来ませんでした。
春秋戦国時代の武将を探しても「媧姓」の人物は発見できませんでしたが、伝説の三皇の中に女媧なる神がおり、天才的な頭脳とガタイの良さで神の様な人物を原泰久先生がイメージしたのかも知れません。
媧燐は楚の女将軍であり、函谷関の戦いでは第二軍を率いる武将として登場しています。
函谷関の戦いでは、戦いの天才ぶりを発揮しており、秦軍の意表を突く作戦を考案しました。
媧燐の策は上手く行くかに思われましたが、オルドの失敗もあり王翦に読まれ失敗に終わっています。
楚の考烈王と春申君が亡くなると、李園と共に宰相の座に座りました。
ここで、媧燐には生き別れの弟がいる事も明らかになっています。
尚、映画キングダム・魂の決戦では三吉彩花さんが媧燐を演じています。
函谷関の戦い
媧燐の初登場
楚の総大将は汗明でしたが、媧燐は次将とも言うべき立場だったのでしょう。
函谷関の戦いが始まると、楚軍は初日に第一陣の将である臨武君が討たれました。
二日目の早朝に李牧と春申君が話しているシーンがあり、楚軍の第二将について話していたわけです。
李牧も媧燐についての情報は殆ど得ておらず「近年台頭してきた将軍」としか分かっていませんでした。
春申君は媧燐を「性格に問題があり」と評しますが、それと同時に「戦いの天才」とも述べています。
媧燐の初登場はキングダム27巻・第289話『化けてみせろ』です。
媧燐は性格に難がある
楚の第一軍は臨武君が亡くなった事で、第二軍と三軍に分割される事になりました。
項翼と白麗は第二軍の媧燐の配下に所属となりますが、白麗は「二将は味方でも危ない」と述べています。
媧燐は臨武君の軍に配属されていた千人将を集めますが、身長では項翼よりも遥かに高く、項翼や白麗を驚かせています。
媧燐は女性ではありますが、体格で言ったら普通の男性よりも遥かに巨体だったと言えるでしょう。
臨武君の副官であった魯近を呼ぶと、媧燐は速攻で足蹴にしており、態度の悪さが分かるはずです。
さらに「ハゲの手垢のついた無能共はいらないんだよ。敗戦の豚共」と言い放ち、本当に性格に難がある事が分かります。

ただし「私の身長に関して一切の言を封じる。破らば即斬首」と述べており、高身長を気にする発言をしています。
身長を気にする辺りが媧燐が単なる粗暴な人ではなく、愛嬌もある事を物語っているのでしょう。
媧燐の作戦
媧燐は項翼や白麗などの旧第一軍に対し、騰の首を取る様に命じ第二軍は動かさないと告げました。
楚の旧第一軍は必死に戦いますが、消耗戦であり苦しくなります。
こうした中で汗明が媧燐の陣を訪れ、「何の真似だ媧燐。事と次第によっては許さぬぞ」と告げました。
当然ながら汗明は怒っていたわけです。

媧燐はガタイが大きいわけですが、汗明の方が、さらに上のガタイを持っていました。
「あのハゲが嫌いだったもので、その配下共をいたぶっている」と悪態をつくと、汗明は「首を出せ媧燐」と剣を首に置きますが媧燐は「函谷関を落す作戦ですよ」と応えています。
この後の描写はありませんが、媧燐は作戦の内容で汗明を納得させたのでしょう。
李牧も媧燐の作戦を理解しており「本物」と評価しました。
李牧は呉鳳明、慶舎、成恢、オルドらに命令し消耗戦を行う様に命令しました。
合従軍は媧燐の作戦に従い動く事になったと言えるでしょう。
戦は人を魅了してなんぼ
函谷関の戦いも15日目になると、汗明と蒙武の軍もぶつかる事になります。
媧燐は寝そべっていましたが、副官のバミュウが「あれの準備が整いました」と告げますが、媧燐は足蹴にしますが、バミュウは全く気にしていない様子でした。
媧燐はここで将が戦いで何を大切にしているのかが分かると述べており、自分は「華やかさと恐怖」そして、「ひとそえの『かわいらしさ』」と述べました。
この辺りは、原泰久先生なりのユーモアなのでしょう。
媧燐は戦像部隊を戦場に投入させますが、録嗚未や干央により退却に追い込まれています。

しかし、媧燐は「戦は人を魅了してなんぼだろ」と余裕の表情を見せていました。
戦像の砂ぼこりが晴れると、そこには楚の第二陣の大軍がいたわけです。
媧燐の計算
函谷関の戦いの15日目は激戦が繰り返されますが、秦の張唐が韓の成恢を打ち取り、燕のオルドが王翦の築いた山城を奪いました。
この後に、オルドの軍は王翦の軍を見失っており、これが大失態となります。
媧燐は項翼を五千人将に任命し敵に突っ込ませ、自らも出陣しました。
媧燐は隆国の軍に攻撃を仕掛けますが、媧燐や項翼に対し騰、蒙恬、王賁らが群がる事になります。
こうした状況の中で媧燐は戦場を離脱し、汗明と蒙武の戦いを見学に行く事になります。
汗明と蒙武の戦いを見た媧燐は弟の媧偃に、蒙武を密かに攻撃する様に命じますが、蒙恬に妨害され汗明は討ち取られました。
楚軍は退却する事になります。

汗明が亡くなっても媧燐は冷静さは失わず、むしろ大笑いし「「私の位が一つ上がっちまったじゃないかよ」と発しました。
しかし、ここで春申君と李牧がいる本陣に媧燐は「勝利は目前。総司令様は函谷関をくぐる準備をされたし」と伝令を入れています。
媧燐の作戦は失敗に終わった
項翼は激戦を繰り返しており退却に納得が行かず、媧燐に詰め寄りました。
しかし、媧燐は表情も変えずに騰や蒙武の首が目的なら、最初から媧燐様はそうしていると述べて、本当の目的は「函谷関の突破にある」と伝えています。
媧燐は戦像を出したり、自らが出陣したのは「全部まやかし」であり、媧燐の直属の精鋭部隊の五千は、密かに函谷関の裏側に向かわせていたわけです。
媧燐直属の部隊は楚の軍の中でも1,2の強さを誇り5千の兵でも十分な強さを発揮するはずでした。
勝利を確信していた媧燐は笑いが止まらず「平伏せよ。函谷関も春申君も李牧も」と述べています。
魏の呉鳳明も函谷関に突入する準備をしていましたが、媧燐の策は王翦に読まれており、失敗に終わる事になります。

しかし、失敗の狼煙が上がると媧燐はずっこけ「打ち止めだ」と言い「わりーのは汗明のせいだ」と述べました。
媧燐は納得が行かずオルドに悪態をつきますが、呉鳳明に一喝されています。
しかし、李牧は媧燐のさらに上の策を考えており、部隊は蕞の戦いに進みますが、山の民の援軍により阻止されました。
合従軍篇での媧燐の戦いは失敗に終わりましたが、戦いの天才と呼べるほどのインパクトを与えたのではないでしょうか。
楚の宰相に就任
紀元前238年に楚では考烈王が亡くなり、春申君も暗殺される事になります。
こうした中で媧燐は楚の幽王の出生の噂を項翼と白麗に告げ、廉頗の元に向かいました。
廉頗と媧燐は話し合いを行いますが、そこには春申君を暗殺した李園もいたわけです。
李園は媧燐に協力を求め共同で宰相の座に就く様に要請しました。

ここで李園の口から媧燐が「少女の時 唯一の身内の弟を探して 荒野にさまよっている」と告げています。
李園は項燕を匂わせる発言をし、媧燐は李園と共に宰相となりました。
史記や列女伝の記述では、楚の哀王が負芻により討ち取られて亡くなると、李園や李環などが亡くなっていますが、現在のキングダムでは媧燐が李園派となっており、この辺りをどう描くのかは不明です。
媧燐の弟の謎
媧燐の弟ですが、昌平君ではないか?とか桓騎だったのではないか?と言われています。
昌平君説ですが、個人的には昌平君が媧燐の弟という事はないと感じています。
昌平君は楚の王族の血を引いており、戦争孤児という事はないはずです。
王族であれば、そもそも媧燐と生き別れになる事もないでしょう。
ただし、昌平君は最後の楚王となった人物であり、この時に媧燐がどの様にして動くのかは楽しみにしたい所ではあります。
桓騎が媧燐の弟とする説ですが、桓騎はキングダムの世界では紀元前233年の戦いで亡くなっており、媧燐の弟という事は述べられていません。
媧燐と桓騎は両方が天才的な武将ではありますが、何処か違うとも感じました。
現時点では媧燐の弟が誰なのかは不明です。
原泰久先生が、今後の媧燐と弟をどの様に描くのは楽しみにしたいと感じています。