その他 三国志 後漢

張導は功績はあったのに無念の最後を迎える

2023年3月23日

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宮下悠史

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名前張導(ちょうどう) 字:景明
生没年不明
時代後漢、三国志
年表149年 鉅鹿太守となる
画像亶夏王朝

張導は正史三国志に登場する人物であり、鉅鹿郡の太守となった人物です。

張導は鉅鹿郡では治水で実績を挙げており、優れた官吏だった事が分かります。

後に袁紹に仕えると、韓馥に冀州を譲らせる事に成功するなど、ここでも実績を挙げています。

しかし、張導が朝廷より官位を受けると、袁紹は問題視し張導を処刑しました。

これを考えれば、張導は功績はあったのに、無念の最後を迎えたとも言えるでしょう。

因みに、正史三国志の張導の最後は、臧洪が陳琳に宛てた手紙の中の記述で知る事ができます。

今回は張導を解説します。

治水で実績を挙げる

水経注によると、張導は建和三年に鉅鹿太守になったとあります。

建和三年を西暦に直すと149年となります。

西暦149年は後漢王朝の桓帝の時代であり、梁冀が絶大なる権力を握っていた時代です。

張導は鉅鹿太守となりますが、この時に漳水の渡し場で氾濫が起こり、農業が出来なくなってしまいます。

ここで張導は水の流れを見て、堤防を修復し水路と整えました。

これを考えれば、張導は有能な官吏だと言えるでしょう。

漳水の沿岸には鄴があり、戦国時代の初期に西門豹が治水で実績を挙げましたが、張導もまた治水で実績を挙げたと言えるでしょう。

袁紹に仕える

経緯は不明ですが、後に張導は袁紹に仕える事になります。

袁紹は董卓と仲違いし洛陽を脱出し、渤海太守となりますが、何処かのタイミングで張導は袁紹に合流したのでしょう。

後に袁紹は反董卓連合の盟主となりますが、董卓が長安遷都を強行すると、連合軍は瓦解しました。

袁紹は汝南袁氏の出身であり名声はありましたが、渤海太守でしかなく基盤は脆弱だったわけです。

こうした中で袁紹は逢紀の進言により、公孫瓚を動かし冀州牧の韓馥を恐れさせた上で、冀州を譲り受けようとします。

張導が韓馥への使者となった記述は、臧洪が陳琳に送った手紙の中にあり、次の様に書かれていました。

※正史三国志臧洪伝より

昔、張景明(張導)は壇に登って血をすすって誓いました。

主人(袁紹)の命を受けて東奔西走し、韓馥から冀州牧の旗印を譲らせる事に成功しました。

これにより主人は領土を手にいれる事が出来たのです。

臧洪の手紙の内容を見ると、張導が韓馥を説得した事が分かります。

それを考えれば、張導は袁紹の元で見事な働きをしたと言えるでしょう。

しかし、韓馥を説得したのは正史三国志の場所によって差異があり荀諶郭図、高幹らになっている場合もあります。

これを考えると、張導は荀諶や郭図、高幹らと共に韓馥を説得したのか、分からない部分もあると言えます。

張導の最後

後に張導は献帝への使者となります。

これが何年位の事なのかは不明ですが、董卓は192年に亡くなっており、李傕らが支配した長安に張導がいったのかも知れません。

この時に張導は爵位を賜わり、袁紹の元に戻りました。

しかし、袁紹は爵位を得て戻ってきた張導を問題視する事になります。

袁紹は張導が「子孫に伝える資格を得た」という理由で処刑しました。

さらに、臧洪の手紙の中では張導の一族が皆殺しにされたとあります。

袁紹が何故、張導に対し厳しい態度を取ったのかは不明ですが、張導はこれにより最後を迎えました。

袁紹は功績のあった麹義に対しても、厳しい態度を取っており、自分の言う事を聞かなくなる事を問題視し、処刑という選択肢を使ったのではないか?とも考えられています。

尚、過去に劉表配下の韓嵩が朝廷に行った時に、官位を貰って帰った事を問題視し、劉表は韓嵩を獄に繋いでいます。

それを考えると、当時の群雄は朝廷から臣下が官位を授けられるのを、かなり嫌がっているとも言えるでしょう。

因みに、臧洪は西暦196年に亡くなっており、それよりも前に張導は亡くなった事になります。

尚、張導は149年に鉅鹿太守になった記録があり、袁紹に処刑された時は、かなりの高齢だったのではないか?とも考えられています。

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